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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第八話Part3

「おばあちゃんインターネットとかするんだ」

「年寄だからって甘く見ないでよ。ねー」

「ねー」

 おばあちゃんもおじいちゃんももう還暦も過ぎたような頃合いである。それなのにインターネットを参考に豪華なかき氷を作ってくれた。どうやら祖母は普段から小頭と連絡を取ってるのか、そんな雰囲気があった。

 ふわふわの氷は口に入れた瞬間に消えていく。それにクリームや果物をふんだんに使ったかき氷は店ならこれだけで千円……いや二千円は取りそうな……そんな豪華なかき氷だった。

 孫が来てくれるからってきっと頑張ってくれたんだろう。そう思ってたけど……


「ふふ、近所は農家ばかりだからね、果物もたくさんもらえるのよ。果物は足が早いからあなた達が来てくれてたすかったわ」


 そんな風に言ってくれた。確かに果物は野菜とかと比べて早く腐ってしまうだろう。それに老人の二人暮らしなら、そんなにたくさん食べられるってこともないだろう。

 だから祖母の言い分は本当なんだろうなって野々野足軽は思った。


「これ、めちゃくちゃ美味しい……」


 ちょっと感動する位い美味しかった。だってかき氷なんて実際ただの氷じゃん……と思ってた野々野足軽である。そもそもおしゃれなかき氷なんてのは野々野足軽は食べたことない。

 知識としてはネットやテレビで知ってたけど、野々野足軽が食べたことあるのは屋台の出店で食べたことあるシロップがかかっただけのシンプルな奴だけだったのだ。


「ふふ、そうでしょう。シロップも果物を使ってのよ。生シロップね」

「生シロップ……」


 なるほど……と思った。なにせ確かに祭りの出店である安っぽい水のようにサラサラなシロップではない。もっとこう……言い方は悪いかもしれないが、ドロドロとしてる。それはきっと生の果物を使ってるからなんだということがわかった。


 ミーンミンミン


 野々野足軽と野々野小頭は縁側に座って、蝉の声をBGMに美味しいかき氷を食べてる。野々野足軽のかき氷はスイカ味で、小頭のかき氷はマンゴー味だった。

 都会では窓から観る景色には常に高い建物が目に入るだろう。隣の民家だって近い。空を広く観ることが叶わないところだって多い。けどここは違う。田舎の空は広く大きい。

 青く……碧い……そんな空が広がってて、高くそびえる入道雲が漂ってる。


 カタ――カタ――


 と古いタイプの扇風機が首を限界まで曲げたときにそんな音を出して反対側に向かっていく。都会ではエアコンが絶対に必要だけど、、ここではどうやら扇風機とかき氷……そして縁側を通る風でなんとかなる。

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