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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第七話Part4

「あの人は……」


 野々野小頭はついにそのことに触れてきた。実際気にならないわけはないだろうからな。なにせ一歩間違えば小頭はあの男に犯されてしててもおかしくなかった。いや、実際本当ならそうなってただろう。もしもこの家じゃなく、別の家に入ってたら、そこの少女がきっと犠牲になってた。いや、もしかしたら余罪があるかもしれない。だからある意味でこの家でよかった……とは言えないが、野々野足軽が気づくことが出来た事は幸いだったろう。実際小頭は間一髪だったけど無事だったんだ。

 でも小頭的にはどうやって助かったのかわかってないだろう。だってきっと気を失うときには「もう駄目だ」とか思ってたはずだ。なにせ小頭からみたらあの男は異常だった。常になぜか先にいる……そんな事が起こっててもしかしたらあの男は「超能力者」だったんじゃないか? とかいう疑問が浮かんでるかもしれない。

 そしてそれならさらにどうして自分は助かったのか? と考える。超能力者は最近ちらほらと存在が確認されてきた人たちという印象だ。小頭の友達である草陰草案やアンゴラ氏……彼らも今やそれに該当してる。だからこそ、その力が凄い事はわかってる。

 ならば猶更……なぜにあの状況から助かってるのか野々野小頭はわかんない。


「捕まったさ。まあ超能力で裁かれることないだろうけど、不法侵入だし、窃盗も働いてた。現行犯逮捕だよ」


 そんな風に足軽は説明してくれる。けど、もっと細かく小頭は突っ込んできた。


「警察は……お兄ちゃんが呼んだの?」

「ああ、やばいって思ったからな。それに一人で行くよりもとりあえず通報するだろ?」

「超能力者ってわかってたの?」


 毛布の隙間から小頭の目がジッと足軽を見つめてくる。それに対して足軽は首をふる。


「いや、それはしらなかった。ただ危ない奴が家に侵入してるって思ったんだ」

「なら……どうやって捕まえたの?」


 そうなる。だって小頭的には確実とは言えないがあの男の行動は超能力でもないと説明が出来ないと思ってる。動転してたからって起きた事実は変わらないんだから。きっとあの男には超能力があった。となると次に気になるのはどうやって逮捕したか……だ。きっとあの男はその超能力に自信があったに違いないと小頭は思った。だって出ないと犯罪に走らないだろう。ならばそう簡単に逮捕なんてできない。

 けど一番最初に野々野足軽はあの男は「捕まった」といった。ならば警察はあの男を捕まえたのだろう。でも超能力者を捕まえるというのは大変なのは考えたらわかる。だからこそ、どうやって? と思う。実際足軽の言葉を信じたくないわけじゃない。けどちゃんと聞かないといけないことだと思ってる。なにせ足軽は小頭の兄なのだ。

 もしかしたらその優しさで嘘を言ってるかもしれない。そうなると、小頭は怖くて外にも出れなくなりそうだった。


「どうやって……というか、あの男はお前たちと同じように脱衣所の扉の所で倒れてたんだよ。それにその腕はなぜか扉を貫通してた。けど扉は壊れてない。まるで溶接したかのようになんか一体化してた。だから超能力者だと判断された。だから浴室の扉事外して、そのまま連行されていったよ。

 超能力者なら起こすのは危険だからな」

「そっか……でもなんで倒れてたの?」


 状況的には足軽の言葉には違和感はない。その一点を除けばだ。なんで男が倒れてるのか……それがわからない。すると足軽は考えるようにしてこういった。


「きっと力をうまく操れなかったんじゃないか? だって超能力ってまだまだわかんないことだらけだからな。興奮してる状態で使ったから、いつもと勝手が違ってそれで失敗した。そのせいで……」 

「気絶しちゃった?」


 コクリ――と野々野足軽はうなづいた。確かに強く否定はできないなって小頭は思った。つまりは自分は運よかったのか……と小頭は考える。


(でもあの時のお兄ちゃんは……夢?)

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