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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
51/816

50P

「デーチェ! デーチェ!!」


 といって喜んでる少女とその少女に尻尾ブンブンと振ってされるがままの犬。犬は顔をペロペロと舐めてる。そしてそれを微笑ましく見てる野乃野足軽に少女の母親。ほっこりとした空間が広がってる。けど実際は野乃野足軽には喜んでると思われる犬の言葉が聞こえていた。


「子分ご苦労! 飯が欲しいぞ! 飯!」


 とか言ってた。犬は序列に厳しいからな。どうやらこの家族の中であの少女は犬にとって序列的には下に位置してるようだ。傍目から見たら……それこそ犬の言葉がわからなかったら、飼い主と飼い犬の感動的な対面だった。そう勝手に理解することが出来た。でも野乃野足軽はなまじ『力』というのがあるから、互いの言葉がわかってしまったのだ。


「ありがとうございます」


「いえ、偶ですので。でもこれからは気をつけてください」


「あのこれを」


 そんな事を言われて野乃野足軽に差し出されたのはなにやら箱に入ったお菓子? 的なものだった。お礼を用意してたということだろうか? まあけどあのポスターにも別に何か報酬がある――なんてのは書いてあったわけじゃない。


 それに野乃野足軽だって、別にこういう事を目的にしてたわけでもないんだ。でもまあこういうのは遠慮しても向こうの気持ち的には功労には報酬を支払った方が、気持ちいいってものもあるだろう。下手に遠慮しても困らせるだけだ。


 それにこれが現金とかで数万単位とかなら流石に野乃野足軽も「こんなに……」とか言えるが、箱詰めのお菓子程度を遠慮してもって感じでも有る。だから素直に「ありがとうございます」と言っておいた。


 てか頭の中のアースが「お菓子ですよ! お菓子!!」とうるさいから断る選択肢がなかった。なにせ今回はアースによって野乃野足軽は力の高みって奴を見せてもらった。それはとても興奮するものだったんだ。高みを知ることで、自分自身もあそこまで行けるかもしれない……いや行くんだ! とかいう野望ってやつがメラメラと野乃野足軽には生まれてた。なので高みを見せてくれたアースにお礼をするってことでも断れない。


「お兄ちゃん! ありがとう!!」


『ありがとう!!』


 少女と、それから犬にも感謝の言葉をもらった野乃野足軽はその場を退散する。


「さて……後一匹だな」


 既に最後の一匹になった犬を見る。それはスコティッシュ・テリアだ。ずっとなんか野乃野足軽にまとわりついて尻尾フリフリしてる。


(お前、そろそろ落ち着け)


 ヒョイッとスコティッシュ・テリアを持ち上げて、野乃野足軽はそんな風に話しかけた。すると「ふぁふぁふーーん」とかいう声を出して体をブルブルとさせた。何だ今の声。野乃野足軽には今のはちなみにこんな風に聞こえてた。


(あふーーーーん)


 とね。野乃野足軽は「こいつやばいな」とか思ってた。こんなやばい犬の飼い主はどんなやつなのか……ちょっと不安が広がる。今までは自分自身も安心したかった……というのもあって、飼い主に直接犬達を引き渡してたわけだが……こいつは近くまで行って、後は勝手にさせればいいか……とか思いつつあった。


『お前もボスの所に戻りたいだろ?』


『ボス!! そう! ボスの所に行く! 連れてく!!』

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