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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第六話 Part1

「ふう……ん?」


 家に帰ってきた野々野足軽は扉に手をかけた。その瞬間に【観え】た。それは思念。強い思念が野々野足軽が玄関の扉に手をかけた瞬間に流れてきた。そしてそれは最悪な……いやまだ最悪ではない。

 だって取り返しがつく。最悪なのはすでに家族が犯人によって殺されてしまってた状態だ。いくら超能力の始祖と言っても、今の野々野足軽でも死者蘇生は出来ない。

 だからもしも、すでに家族が亡き者にされていたら、野々野足軽にもどうしようもなかった。せいぜい犯人に死ぬよりも辛い苦しみを与えるしかなかった。けど、まだ大丈夫だ。


『へへ、今度はここだ。この周辺、片っ端から行ってやる。たまんねえぜ、この力があれば、好き勝手にできる。国家権力の犬どもには俺を止めることは出来ねえ』


 そんなことを言ってるやつの思念が野々野足軽には流れ込んできた。明らかにヤバイ奴。そして何をしようとしてるのかもわかってた。奴は強盗だ。そしてその強盗は超能力に目覚めてる。

 目覚めた力は『壁抜け』だ。なぜにそれがわかったのかは思念に残ってたからだ。それに扉を開けずに入っていってるのも観えた。


(てか、そんな力が目覚めたなら、民家なんか狙うなよ……)


 そんな風に野々野足軽は思う。だってどうやらこの犯人の壁抜けはどんな壁も通り抜けられる感じである。ならばこんな民家を狙うよりも銀行に行け……と思うのは普通だろう。

 だって民家をいくら漁るよりも、銀行をハシゴしたほうが確実に大金を盗めるだろう。それに……だ。民家を狙うなら、こんな平々凡々な民家じゃなく、もっと高級そうな家を狙えばいい。

 野々野足軽の家は普通の中流階級の家だ。貧乏ではないが、贅沢はあんまりできないような……そんな普通の家。旅行だって、年に一回出来たらいいな……くらいである。

 そんな家を狙うよりも、年に何回も海外旅行にいってるような家を狙ったほうが実りだっていいだろう。


「さて、どうしようか?」


 野々野足軽は考える。はっきり言ってすでに盗んだ後なら実際楽だった。だって野々野足軽は思念を読める。こいつの思念はなんか強いから、より家の中に残ってるだろう。

 なら、追うのも簡単だ。今の野々野足軽なら日本全土から一人を見つめてるくらいできる。夏休みに入るまでの期間で更にその力を伸ばした野々野足軽ならね。

 だからさっさと取って、さっさと逃げててくれれば、人知れずに処理するなんて簡単だった。でもそれは出来ない。なぜなら犯人が余計な欲をだしたからだ。それによって自体は悪い方向へと向かったらしい。

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