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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第二章 きっと世界は変わってない
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第四話Part3

 「わかってますか? これはチャンスですぞ。何故か日本にばかりに現れてた超能力者が世界中に現れ初めました。彼らの『力』はきっと重要になる。わが国でも沢山の能力者を確保する必要があります」

「化け物の管理は、国がやるべきだ――とそういう事かね?」

「「そういうわけでは……ですが、もしもこれからも超能力者が増えていくとなると、社会が変わる可能性があります。それこそ、一人で国を傾けるような、そんな能力者が現れないとも限らないのですよ。そしてそれが我が国に現れる保証はありません。

 そうなった時に、その力に対抗できる手段は同じような力を持った者たちになるかもしれません。それに彼らの力を研究するにもその力を持った者たちの確保は重要です」


 カチカチカチ――とこのなかなかに豪奢な部屋にある古時計が時計の秒針を刻んでる。そしては大きな机に広げられた資料を椅子に座ってるその人は手に取ってみる。そこにはこの数週間でこの国で確認された超能力者の顔写真付きの資料だった。

パラパラとその大人はみてそしてため息をはいた。


「言いたいことはわかる。だが、どういう扱いで保護するのだ? 無理矢理なんて人権団体が黙ってないぞ。まあ、超能力者を悪魔の化身だと騒いでる奴らもいるようだが」

「あくまで国としては安全の為に超能力者を一か所に集めるとした方がいいでしょう。そもそもまだまだ未知なのです。何が起こるのかわからない。それは本人もそうですし、周囲もそうです。それにいきなり自分の体に力が発現するというのは恐ろしいものでしょう。

 暴走して、心が傷つく者も居れば、周囲の心無い言葉で傷つく者もいるでしょう。ですが、国でも超能力者が安全なんて宣言はできません。我々もまた何も知りえないのですから」

「そうだな。下手に安全なんていって犠牲者がでては、格好の的になってしまう。そんな貧乏くじはごめんだ」

「わかっております。それでも何もしなかったらそれこそ非難の的です。政府としては本人と周囲の安全の為に超能力者は特定の施設に匿うという事を発表しましょう。そしてそこではもちろん人権を尊重することを約束します」

「研究はしないと? 金の山かもしれないんだぞ?」

「ははは、そこは上手くやる――ということですよ。政府とはしては安全に暮らせる場所を提供するだけです。ですが力の影響が人体にどのような影響を及ぼすのか……それはきっと本人たちも知りたいはずです。なのでそこへ送る研究者たちには健康管理もしてもらいましょう。

 なに、超能力者たちの日々の安心の為ですよ」

「そうだな、超能力者たちもきっと不安だろうからな。しっかりと健康だと示してあげないとだな。きっと彼らも積極的に協力してくれるだろう。それでその施設はどこにするんだ? そこそこ大きな都市からは離れてた方がいいだろう?」

「そうですね。候補地としてはエリア88を考えております」


 すると椅子に座ってるその人はにやっと笑う。そしてすらすらと何かをかく。


「よかろう。承認する。超能力者たちはそこに集めるがいい」

「はい。お任せください。必ずや我が国の糧にしてみせましょう」


 重厚そうな扉を開けて出ていく中年のその人。そして椅子に座ってたより偉そうな人は、大きく息をはく。そして机に広がった超能力者たちの資料をみてこうつぶやいた。


「世界が大きく変わるかもしれん」



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