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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
50/822

49P

犬達が野乃野足軽に怯えてる。けどそんな中、その中の一匹の犬、スコティッシュ・テリアとかいう品種の犬がとことこ……と野乃野足軽の方へと歩いてきた。


(怯えてない?)


(まあそういう生命もいるでしょう)


 そんな事を脳内会話してた野乃野足軽とアース。スコティッシュ・テリアはなぜか胴体を持ち上げて足に絡みついてきた。


「なにを?」


「ワンッワン!」


 甲高い声で何かを訴えてくる。そしてその声が野乃野足軽にはこう聞こえた。


「助けてくれた! やっぱり!」


 とか言ってた。二人は何が「やっぱり?」とかおもった。でもそこはそれ以上わかんない。なにせこのスコティッシュ・テリアはやたらテンションがあがってる。だからずっと「ワンワン」と「やっぱりやっぱり」としか伝わってこない。


 でもその一匹がやたらと野乃野足軽に友好的なおかげか、全てを伏せて怯えてた他の犬たちもなんか起き上がった。


『こいつ大丈夫なやつ?』


 


 的におもったのかもしれない。


「仲間じゃない?」「だれ?」「頭が怖い」


 そんな声が伝わってくる。突如現れた野乃野足軽を不審がるのはしょうがないことだ。それに野乃野足軽は人間なのに、彼らに言葉を伝えてる。それも怖さを増幅させてるんだろう。これに一つ一つ答えていくことも出来るが、納得させるのは色々と一苦労だと言うことが想像できる。だって犬には犬の脳みそしか無いからだ。馬鹿にしてるとかじゃないよ。


 ただ生物としての色々な違いが原因だよ。だから野乃野足軽はそういう事には何も答えずに、これからの事をいった。


『全員帰りたい場所に連れて行く』


 すると犬達から「ほんと!?」「やった!!」「帰りたい」「ボス……」とかいう声が聞こえてくる。まあ一匹だけ……例のスコティッシュ・テリアだけは「やーっぱり! やーぱり!」とずっと言ってる。まあこいつはどうでもいいか……と野乃野足軽は判断した。


『皆、それじゃあ帰るぞ』


 さっさとこの場所から離れたかったから、犬達も理解してくれたし、早速この家から出る。それから少し進んで人通りも多い方に来た時に気づいた。


(こんなに犬を引き連れてたら流石に目立つな)


(それに全犬、リードも無いのに一列に並んでますからね)


 普通は犬が前にいて飼い主は後ろを歩くものだろう。なのになぜか犬達は野乃野足軽を先頭に一列縦隊してた。こんな光景、普通は見られない。だからめっちゃ目立ってた。


(でも好き勝手にいかれても困るからな。ある意味助かるけど……)


(どこに行けばいいかわかりませんからね。どれか一匹を指定して先に飼い主の元に返す個体を決めたほうが良いのでは?)


(なるほど、俺が指定してないから、こいつらは俺の後についてくるのか)


 そうとわかればどいつから帰すかってことになる。まあでもどれも家の場所なんてのはしらないからな。とりあえず必要な事を野乃野足軽は聴いてみた。


『帰る場所、わかるか?』


 その言葉に犬達は鼻を動かして、地面を嗅いだりする。そして皆顔を見合わせて「わん!」と吠えた。それは野乃野足軽には『大丈夫!』と聞こえた。どうやら皆、帰る場所がわかったらしい。さすが犬。


 そうとわかれば、一番近いやつから返して行こう、と野乃野足軽は思った。

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