表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
49/821

48P

「よし、これで……」


 そう言って野乃野足軽は慎重に玄関に姿を表した。そして玄関の横を通って庭の方へと向かう。そこでは何が起きたのかわかってない犬たちがいる。車に乗せようとしてたから、既に犬たちは自由の身になってる。けど逃げ出してないのは、野生の勘でおかしな力でも感じてるからだろうか? 


 犬たちは隅に集まってガタガタ震えてた。まあ四方八方に逃げ出さなかったのはある意味でありがたかったのかもしれないと野乃野足軽は思った。実際勝手に飼い主の所に戻ってくれればそれでも良いと思ってる野乃野足軽だが、ここまで関わった以上、ちゃんと最後まで見届けたい気持ちもあった。


 これで勝手に走っていった犬たちを放置して、もし飼い主の所に戻れない犬がいたら目覚めが悪いってね。


「あれだな」


 野乃野足軽は肉眼で監視カメラを確認した。そして予めその手に確保してた石を浮かせる。そして力で操作して、監視カメラの方へともっていく。複数個を操れるように訓練しててよかった……と思った。そんなに早く動かせるわけじゃないが、別にいい。既にここの家主達は昏倒してるんだからな。ただ自分の姿を隠せればいい。もしもカメラに勝手に動く石が映ってたとしても、それは心霊現象とかとしかおもわれないだろう。


 まあ一応直接監視カメラに飛ばすようなことはしてなくて、一応石も監視カメラの目を掻い潜るように飛ばしてる野乃野足軽だ。そしてカメラのレンズの前に小石をやる。小石だけど、それでもゼロ距離にあればその視界を覆うことが出来る。


 単純だけど、効果的……力で監視カメラをハッキングとか出来たら勿論格好いいし野乃野足軽だってそっちの方が憧れるとかある。でも出来ないものは仕方ない。自分ができる範囲で、やれる対策がこれだった。


「よし」


 庭の監視カメラも封じて、踏み込んだ。野乃野足軽の存在に気づいた犬たちがそっちをむく。中には「グルル」と唸る犬もいる。どれもこれも小型だからそんなに怖くはないが、吠えられたら困る。そうそう起きないとは思うが、それでもその音で昏倒させた犯人が起きないとは限らないからだ。


「つっ……」


 野乃野足軽は犬たちに力を使おうとして、クラっとした。なにせ今は石を2つ操って監視カメラを妨害してる。更にここで五匹の犬に干渉する力を使おうとしたんだ。それがきっと野乃野足軽の体に負担を与えてるようだ。


(辛い……けど、このくらいならまだいける)


 日頃、野乃野足軽はぶっ倒れるまで力を使ってその力を伸ばしてる。だからこそ、まだ大丈夫ってラインはわかる。これも日々力の研鑽をしてきたおかげだ。けど流石にコントロールの制度は落ちる。


 落ち着かせる様に優しい言葉を伝えよう……そう思ってたんだけど野乃野足軽が犬たちに伝えた「助けに来た」――という言葉が思いの外、強く犬たちに伝わったようだ。


 犬たちは一瞬ビクッとして、しっぽを地面にべったりつけて、さらに体もべったり付けて、耳までしんなりとして全員怯えだしてしまった。


(ちょっと出力……間違えたか……)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ