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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
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486P

 靄の中に突っ込んだ野々野足軽。それからすぐに聞こえてきた高笑いに顔をしかめる。けど姿は見えない。それに力を拡散させてレーダーのようにして探してみようとしたがそれは上手くいかなかった。何も見つけられないわけじゃなく、反応が多すぎた。そのせいで何が正しい反応なのかわからなかったんだ。これじゃあ無駄にリソースを食うだけだという事で、野々野足軽は力の拡散をやめた。


 癇に障るような高笑いがずっと聞こえるような空間。むしろ、それしかないといっていい。だってどこまで見ても闇が広がってるんだ。明らかにおかしな闇だ。なんの光もないんだから。それなのに、自分は不思議とわかる。

 そしてこの悪魔のような笑い声だけははっきりと聞こえてた。何かが野々野足軽の中に入り込もうとしてるのは感じてた。けど、この闇は野々野足軽の防壁までは超えられないみたいだ。実際桶狭間忠国につけた奴は何回か超えられてるから、警戒はしてたんだが、杞憂だったみたいだ。


「僕の力の方が強いみたいだな」


 それに一安心する。流石にあのドラゴンよりも強かったりしたら被害がどうなるか分かったものじゃなかったからだ。あんな存在が運よく別空間にいた……というのはある意味で今思えば幸運だったと野々野足軽は考えてた。

 あんなのが街の上空なんかに現れたら、流石に姿を現さずに事態を収拾するなんてできなかったからだ。今回のこの悪魔も……人に取り付いてるからどうにかできてて、もしもその本体が現れたら想像よりも強い……とか全然あり得るかもしれないと思ってたんだ。

 まあアースとか天使っ子や悪魔っ子の言葉的には結局は人類をどうにかできる程でもない程度……という事だったが、野々野足軽は自分位をどうにもできないのであれば……そうかもと思った。


「おい、どこだ?」


 それは悪魔へと言ったのではない。先に来てた天使っ子と悪魔っ子にいったのだ。なにせレーダーが効かないのだ。ならば先にきて多分だけど草陰草案達と同じ場所にいるであろう二人に案内させた方がいいと思ったんだ。いつもなら自身の力も混ざってる天使っ子と悪魔っ子の場所は簡単に感じることが出来る。

 けどそれもどうやら封じられてるみたいだ。それになんだか体が重い感じも野々野足軽は感じてた。


(外に発露する力の使い方に制限がかけられてる?)


 そんな事を分析してる。なぜなら自身の体の外に力を発すると、途端にその力が減衰してるからだ。だからって無理矢理この靄を晴らそうと思えば晴らせないわけでもない。けど野々野足軽はそれをまだやる気はない。

 なぜなら……


「きひひひ」


 靄の一部が不気味な顔を形作る。それは人のような顔の形をしてるように見えるが、巻いた角が両側から生えてて、耳はなんかとんがってるように見える。そしてやけに大きく開いた口からは長い長い舌が揺らめいてる。

 これが……


(あの女性に取り付いてた悪魔)

「別にお前を呼んだんじゃないんだけどな」


 そんな事をいうと、ふっと悪魔の姿が靄に溶ける。そもそもがこいつには実態と言えるものはないだろう。いうなればこの靄事態が悪魔なのかもしれない。


(どこからくる?)


 そんな風に警戒を強める野々野足軽。すると足元に何かが巻き付くような感覚が野々野足軽を襲った。

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