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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
472/832

470P

「はっはっはっ……」


 激しく太鼓のように心臓がなってる。アンゴラ氏はしりもちをついたまま、桶狭間忠国と悪魔のような女性の戦闘を眺めてる。そしてさらにその後ろでそんなアンゴラ氏を見てる視線が幾千も……この場にいる草陰草案達だけじゃない。その背中を見てるのは配信の向こう……ネットの海を通して幾千万、いやもう幾百万くらい同時視聴者がいる。

 その人たちはきっとてきとうな事を言い続けてるんだろう。


「アンゴラ氏……何やってる」


 歯がゆそうにそういったのはチャド氏だった。彼も『力』を持ってる。けどその力は限定的だ。彼の愛用してるダウジングの棒だけに影響できる力。だからこそ、きっとアンゴラ氏の便利そうな力には思うところがあったのかもしれない。うらやましいとか、格好いいとか思ってたのかもしれない。

 なのに……だ。なのにそんなアンゴラ氏がしりもちをついてる。そして戦ってるのは筋骨隆々の男。実際それが正しいだろう。普通に考えたらあの筋骨隆々の男が戦うのはとても自然だ。ひょろっとしてるアンゴラ氏が矢面にたって戦う方が普通なら不自然だろう。

 けど相手は普通じゃないんだ。そしてここで対抗できるのはアンゴラ氏くらい……なはずだった。


「おい、あの大男は何なんだ? 力を持ってるのか?」


 そんな風にチャド氏が野々野小頭へといってくる。それに対して話を振られた野々野小頭は「えっと……」というほかない。だって野々野小頭だって桶狭間忠国と出会ったのはたまたまである。そしてその出会いもついさっきだ。けどちょっと考えてみると……


「力、あるかも」


 だってここまで来るまでに、結構なおかしくなった人を桶狭間忠国はなぎ倒してきた。吹き飛ばしてきた。そんなことが普通の人間にできるだろうか? 確かに桶狭間忠国は恵まれた体格をしてる。でもだからって人を吹き飛ばせるか? と言われたら普通はノーだろう。

 走りながら何人もの人間を倒して、ついでにいうと軽いといっても女子中学生を抱えた状態で、そんなことが普通出来るだろうか? 出来ないはずだ。でもそれをやれてしまう根拠を示すとなれば……やっぱり『力』しかない。どんな力かは分かんないが、力があれば、なんかできてもおかしくなんてない。だって力とはそういうものだからだ。

 けど……そこで草陰草案がいった。


「ううん、あの人に力はない」


 その発言にビックリしたのは野々野小頭やチャド氏だけじゃない。その場のみんながびっくりしてるし、なんなら視聴者達だってびっくりだ。いや視聴者達はそれこそ『力』の存在にはそれこそ半信半疑だろう。けどそれを前提として草陰草案達は話をしてる。だからこそ、「あるんだ」みたいな感じでここではなんとなく受け入れてる。


「そんなはずないだろう! あれを観ろ! あれが人間にできる動きか?」


 チャド氏は草陰草案の言葉を受け入れらないというように、強くそういった。そしてそれはあまりにも説得力がありすぎる。だって、桶狭間忠国は互角に……いや、なんなら悪魔のような女性を押してるようにさえ見えるんだ。

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