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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
47/821

46P

「うがっ!?」


「おい!? どうした? おい!!」


 いきなり相棒である男が倒れ伏してパソコンを常に開いて持ってる奴が慌てだす。そいつは既に運転席について強面のやつが犬たちを後部座席に押し込むのを待ってたわけだけど、いきなり強面のやつが倒れたから車から出て男に近づいて揺すってる。


「おい! 何やってる!! 寝てんじゃねーよ!」


 パソコンを持った優男は何度も何度も強面を揺するが起きる気配ない。白目を向いて口からはよだれを出して倒れてる。倒れる時に頭でも打ったのか、ちょっと出血もしてた。そんな様子を草葉の陰から見てる野乃野足軽は結構慌ててた。


(だ、大丈夫かあれ? なんか凄い音もしてたぞ)


(大丈夫ですよ。力を伝って生きてるのは伝わってきてるはずです)


(な、なるほど……確かに心音とかも聞こえるか……)


 アースの言葉を受けてちょっと冷静になる野乃野足軽。実際何をやったのか……というと、簡単だ。野乃野足軽は強面に力を繋げて、動物たちと会話する時の様にして、その頭に、いや脳みそに直接言葉をぶつけた。しかも犬とか動物たちには優しくを心がけてたが、今回はそもそもが昏倒を狙ってたからかなり強い言葉をその脳みそに叩きつけたんだ。


 するといきなり脳みそに直接どでかい言葉が叩きつけられた強面はいとも簡単に昏倒した。


(人を気絶させるっの簡単なんだな)


 テレビとかではそれこそハンカチに薬品を染み込ませて後ろから羽交い締めにしてそれを嗅がせて昏倒させるってのをよく見る。漫画とかでは後ろに回って首元を手刀でトンッとしてそれで気絶させるとかあるが、これなら姿を見せることもなくやれるし、わざわざ近づく必要さえもない。


(もしかして俺って最強じゃないか?)


(そうですね。これは防ぎようがないですからね。大抵の人間にはこれだけで勝てるでしょうね)


 どうやら野乃野足軽は大したことが出来なくても、既に人類最強だったようだ。けどそれにしてはちょっと不満そうな野乃野足軽である。


(どうしました? 最強ですよ?)


(俺が思ってた最強と違うというか……だって地味だし……)


(派手な事をして目立ちたいんですか? 世界征服をしたいとか思ってます?)


(そんな事思ってないけどさ……なんかコレジャナイ感があるというか……)


 きっと野乃野足軽はもっとかっこいい自分を想像してるんだと思う。けど、今のやり方は格好良くない。だからこそ、ちょっとした不満がある。


(これじゃないと思うのなら、もっと色々と出来るように精進有るのみでしょう。今はこれしか出来ないのは、貴方が未熟だからですよ。私に不満をぶつけられても困ります)


(そうだな……まずはあの犬たちを救出しよう)


 そう言って気持ちを切り替える野乃野足軽。とりあえず強面を起こすのを諦めた細身の男はなんとか一人で犬たちを車に載せようとしてる。けど弱っちそうな奴が相手だからか、犬たちも抵抗してるよ。


 とりあえず野乃野足軽は細身のやつにも頭に声をぶつける。その瞬間……「あばっ」とか言って目玉がグルンとか廻って膝から崩れ落ちた。そして地面に倒れ伏した。一緒に鼻血も吹いてた。


(やりすぎたか?)


(悪人ですし、良いでしょう)


 悪人にとにかく厳しいアースだ。いや、そもそもが興味が無いんだろう。だからあいつらがどうなっても、それこそ死んでもいいと思ってる。そんなことにアースは興味が無いんだ。ある意味怖いやつである。


「案外あっけなかったな……」


(力があるのですから、こんなものでしょう)

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