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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
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450P

 周囲からバリーン!! とかそれと共に「きゃあああああ!?」とかいう声が至る所から聞こえてくる。とうとう……とうとうおかしくなった人たちは建物の中にも人がいる……という事に気づいたらしい。駅前には駅構内とかデパートとか、大きな建物がたくさんある。もちろん都心程じゃないが、やっぱり駅前が一番栄えてるから人もそして人が集まれる場所だって多い。この事態が深刻化したとき、入り口とかを周囲の建物とかは閉ざした筈だ。安全の為って……けど、駅はまだ開いたままだった。

 きっとどれだけ危ないのか……それを判断するには材料が足りなかったのかもしれない。警官隊とかが展開して色々と封鎖をしてたけど、きっとその時は警官隊も電車を利用する人たちをすべて駅にとどまらせておくなんてできない……と思ったんだろう。だからこそ、駅の方はシャッターとか閉めずに開いてた。けどその誘導するための警官隊の人たちまで今やおかしくなってる。

 そのせいでおかしくなった人たちは今や駅の中まで入り込んでるだろう。自動ドアを閉めてた周囲の店舗にも奴らはその体のダメージなんて気にせずに体でぶつかり、腕を振り回して最後にはそのドアをこじ開けてた。そのあとは阿鼻叫喚だ。

 なんとなく状況はわかってただろうけど、その中にいた人たちはきっと「ここにいれば」とか思ってた筈だ。不安にはおもってたけど、今までもおかしくなった人は建物の中までは入っては来てなかった。それに入り口も封鎖されてきっと大丈夫だ……と、でもその願いは今。破壊された。


「大丈夫かな?」

「殺されるわけじゃない」


 そんな風にアンゴラ氏がいう。草陰草案はそれでも不安ではある。確かにゾンビ映画のように食われてしまう……なんてことはない。実際おかしくなった人たちの怪我は多少はあるが、その程度。実際死んでる人はいない筈だ。


「けど、きっと黒歴史にはなる……」


 草陰草案はそういった。確信を持ったような表情でだ。実際かなり変な行動をやってる人はいる。それが深層心理に基づく行動なら、実はそれはその人の本性の部分でそういう事をやりたかったのかもしれないのだ。

 けど普段は我慢してる。世間の目とか社会とかがあるから全てをさらけ出す……なんてできない。でもその抑圧がおかしくなったら消えてしまうんだろう。危険な事……それこそ殺人衝動とかは出ないようだが、変態的な思い……そんなのが表面に出てるように見える。

 だからこそ、今まともで、そしてこの状況をまさにいま体験してる草陰草案達は思うんだ。


『絶対にああってたまるか……』


 ――とね。

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