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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
441/833

439P

 再び野々野小頭は足軽の部屋を覗く。あの何かわからない変な者……野々野小頭はあれが幽霊かなにか……ではないかと思ってた。なにせ……だ。なにせそういう風な物に見えたからだ。

 実態はなさそうだった。透明で更にはなんか浮いてるように見えた。そうなると真っ先に思い浮かぶのは『幽霊』である。もしかしたら兄である野々野足軽は幽霊に取り憑かれてしまってるのかもしれない。


 前までの野々野小頭なら「そんなばかな」――と鼻で笑っただろう。だってこの現実でそんな不確定な存在がいる……なんてのはまったく持って信じてなんてなかった。

 怖がりはするが、居るはず無い……それが野々野小頭の見解だったのだ。そういうなんとも不確定な物は占いだけでいい……という感じ。けど今や野々野小頭はそうは思えなくなっていた。

 

「この世界には実は沢山の色んな者が居るんじゃないか……」


 そう思い始めてるのだ。そしてそれは実は野々野小頭だけではない。色んな人がそんな事を思い始めてる。なにせちょっと前にはドラゴンの姿を見た――という投稿で溢れてたりしてる。そして『力』を証明した草陰草案……『不思議』が世界に沢山あると考えると人たちは結構いる。


 特別な一部……ではなく、ただ観測できてない何かの存在……それがあるんではないか? と結構な人は思ってた。


(いない……)


 野々野小頭は再び野々野足軽の部屋をみてそう思った。さっきいた存在……それがいなくなってる。ホッとしたような……そんな気持ちがある。恐る恐るだけど、野々野小頭は足軽の部屋へと足を踏み入れる。勝手知ったる兄の部屋である。


 実は時々足軽がいないときに勝手に入ったりして、パソコンを使わせてもらったりしてる。今の時代、もう漫画とかも電子になって、兄妹がもってる物を勝手に借りたりってやつがなくなってる。けど野々野足軽はパソコンを持ってるが、小頭は持ってなかったから、それだけは時々いじってた。親的には「スマホがあればいいでしょ」ということなんだろう。


 実際スマホさえあれば困ることはない。それは確かだと野々野小頭だって思ってる。けどパソコンでしかできないことだってあるわけで……


(取り憑かれてたりしてる?)


 野々野小頭は寝てる足軽に手を伸ばす。けどそこで足軽は「ううーん」とゴロンと寝返りをうった。それにびっくりした野々野小頭。けどそれでただ寝てるだけ……と思えた。変な影響は受けてない。部屋もざっと見た感じ、いつもの兄の部屋だ。


(見間違い……だったのかも)


 そんな風に思えてくる野々野小頭。寝てるのを起こすのも悪いとおもって、野々野小頭は足軽の部屋を後にした。


 ガチャ……という音。それは扉が閉まった音だ。背中を扉に向けてる野々野足軽はさらに力を使って、野々野小頭が部屋へと戻ったのを確認して、目を開けて息を吐いた。


『気をつけろよ。焦ったぞ』

『すみません。つい、油断してましたね』


 そんな風にいう野々野足軽の傍らには透明な人形のアースがいる。

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