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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
431/832

429P

 サイレンが聞こえてくる。ようやく散発的な人材の投入ではどうしようもないと警察も気づいたらしい。少し前までは一台のパトカーがやってきては、なんとか場を収めようと無防備に話を聞きに行ってはその人がおかしくなる……というのを三回は繰り返してた。

 その度に勿論だけど、アンゴラ氏達は止めてた。なんとか説得してとりあえずあんまり近づかないように……と思ったんだ。けどそもそもが危険なところにいる一般人という枠で言えばアンゴラ氏達もそうだし、生放送してる大川左之助たちだってそうなのだ。

 だからこそ、注意こそされ、逆に彼らの言葉に警官が耳を貸すことはなかった。そのせいですでに十人近くの警官があの中に混ざってしまった。パトカーだけで来た警官だけでなく、チャリで現場まで来た人とかも居たのだ。

 けどそんな警官達とは残らず連絡を取れなくなっただろう。それによってようやく現場が想像以上に危険だ――と判断したんだろう。すでにサイレンは途切れる事なく聞こえる。

 何十台というパトカーがきてるし、大きなボックスの車からは、盾をもった人たちまで……アンゴラ氏達もここは危険だと、後ろの方へと下がらされる。なんとかこれまでで分かったこと……分かってる事を話して協力しようかとも思った彼らだが……それをどうやら警察は求めてないらしい。


「彼らはまだただの市民の暴動か……それとも集団催眠かなにかだとおもってるみたいだ」

「まあ、しかたないな。これが未知の何者かの攻撃かもしれない……などと思えようか。なにせこの国だ」


 そんなアンゴラ氏と猩々坊主の言葉には誰も反論はできない。なにせテロなんてそうそう起きない国である。それに別に今も暴動……といえない。市民たちはフラフラと歩いて、おかしな行動をとってるだけ。

 きっと警察は周囲を人数で固めて、声をかけて、それでも無理なら無理矢理にでも制圧ってシナリオを描いてるんじゃないだろうか? 彼らはわかってない。おかしくなってる人たちに話なんて通じないってことが……警官が大量に出てきて脅せば怖気づく……とか思ってるのかもしれないが……そんな相手じゃないとそこそこの時間現場を見てきたアンゴラ氏達は気づいてる。会話なんてなんの意味もないってことが。


「あの……もしもあんなに武装してる警官もおかしくなったら……やばくないですか?」


 朝日倉三が真剣な表情でそんな風にいう。カメラに収められてる彼。そしてこのグルーブで一番人気なイケメンな彼の言葉にコメント欄でも「確かに武装した警官までおかしくなったら……」とかいう不安をコメントしてる人たちがたくさんだ。


 そしてそれは勿論だけどアンゴラ氏達もおもってる。てかそれは今やほぼ確定してるといっていい。警官側はまずは穏便に……とかおもって警告を出すだろうが、アンゴラ氏達は誰もそれに耳を傾けるやつがいる……なんておもってない。だって皆がおかしくなってる。

 まともなやつが居ないのに、誰に声を届けるというのか……つまりはそういうことである。

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