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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
43/816

42P

「ワンワン!!」


 野乃野足軽は迷い犬を見つけた。どこに行ってたか……と思ったらなんか繋がれてる。家の庭に……勿論、あのワンコの飼い主の家ではない。いや、野乃野足軽もサイコメトリで見ただけだし、アースがやった動き回れるときだって、内側しか見てないから、もしかしたら既に犬は見つかって飼い主のところに戻ってた……なんてオチなのかもしれない。


(どうなんだアース?)


(あの犬に聞くか、家の中の様子を透視してみれば良いのでは? 内装は見てるんですから、同じかどうか分かるでしょう)


(そうだな……)


 とりあえず透視……は今の野乃野足軽には難易度が高かった。流石にさっきアースがやってくれた様に、何でもお見通し……みたいな事は出来ない。たしかに野乃野足軽も視力を強化することは出来る。でもそこに透視を併用するっていう、力の複合技術的なことは自信がない。だから対象は犬にした。さっきからずっと吠えてるし……何かを訴えてるんじゃないかって思ったんだ。


 今まで通りに、力で犬を覆って、野乃野足軽は聴力を強化。そして力の波長を犬に合わせる。そしてあんまり長い言葉を使わないようにして、話しかける。


(おい……ちょっと……おーい)


 そんなふうに声をかける。けどどうやら犬は吠えるのに夢中みたいで野乃野足軽の声に気づいてない。この声は頭に直接響いてるはずだから、聞こえ無いなんてことはないはずなんだが……と野乃野足軽は思った。けど反応しないのはしょうがない。そもそもが人間の様に高度な頭を他の動物たちは持ってないのだ。


 どうやったら反応してくれるのか……それを野乃野足軽は考える。そして思いついた。あの犬の名前だ。たしか飼い主の幼女が読んでた。


(デーチェ)


 それを言った瞬間、犬は耳をピクッと動かして吠えるのをやめた。これはきっと野乃野足軽の声が届いたんだと理解できる。ここだと思った。


(デーチェ、そこにボス……居る?)


 色々と考えた結果、そんな言葉になった。端的に、そして言葉自体を短くして、意思疎通を図るためにどういう言葉なら伝わるか……そして野乃野足軽自体も受け取れるか……を考えた結果だ。もしかしたらもっと良い単語があったかもしれない。けどこれが野乃野足軽の精一杯だ。


 ボスを選んだのは飼い主とか言ってもどうなのか? と思ったし、犬は序列をはっきりとつける性質があるとテレビとかで見たことあったからだ。飼い犬にとってのボスとなったら餌をくれる飼い主ってことになるだろう。


 だからボスがいないとなると、ここはこの犬の家じゃないし、ボスが居るとなると、ここはこの犬の飼い主がいる家ということでこれまでの野乃野足軽の行動はすべて無駄になる。勿論良いことだ。ただ事前に解決してあった……それだけのこと。一件落着だ。


(ボス……いない。ここじゃない)


 わわんわん! とかいう声と共に、そんな思念が届く。どうやら一件落着には早かったらしい。でもそうなると、なんであの犬は他人の家に繋がれてるんだ? ってことになる。都会で広くない庭……それに玄関からは直接見えないような庭に繋がれた飼い犬。それは本当にその家の飼い犬なら問題ない場所だろう。けど他人の飼い犬をおいておく場所じゃない。


 だってこうやって居るとわかってないと、気づくことなんかない。まるで隠すようにしてあると野乃野足軽は思った。もしもただ保護してるだけとかなら、もっと目立つところにおいておいてもいい。それこそ玄関先とか……でもそうじゃない。それに野乃野足軽には懸念がまだあった。


(なんか他にも犬が居るんだよな……)


 その庭には狭い中、五匹くらいの犬がリードで繋がれていた。

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