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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
42/821

41P

(では、この犬という生命体を探しましょう)


(いやいや、犬って日本だけでもかなりいるし、どうやって探すんだよ? 区別できるのか?)


 野乃野足軽は不安そうにアースにそう伝えるよ。けどアースは自信満々に「大丈夫です」と伝えてくる。


(なんのために過去を観たと思ってるんですか? そこで必要な情報は集めています)


(そんな事いってたな……でも一体どうするんだ?)


(力は使い方と発想力ですよ)


 アースが力を高めてるのを野乃野足軽は感じた。そして自身を中心になにやらを感じる。存在というか、魂というか……そんなのを感じる気がする野乃野足軽。


(これは?)


(自身を中心に力を広げていって、その中にある存在を感知してます)


(レーダーみたいなものか……)


(そういうものだと思ってください)


 レーダーがわかってるか怪しいアースだが、多分感覚としては間違ってないんだろうと野乃野足軽は思った。それにその範囲は徐々に広がっていってる。


(でもこれって、どこまでいけるんだ? 狭い範囲を移動しながら探すとかしても見つかるかどうかなんて……)


(狭い範囲? なにを言ってるんですか? その気になれば地球上全てを覆うくらいは出来ますよ。まあですが、今はそこまでも必要はありません。ここら一帯、念を入れて街を五つくらい入れておけばいいでしょう)


(地球って……)


 規模が違いすぎてもはやわけが分からないレベルである。でもそうなると、もしもアースから逃れようとしても、地球上にいる限りは逃れようがないってことになる。アースから逃れるには地球を飛び出して宇宙に繰り出すしか無いということだ。


(この力を使いこなせば、宇宙空間にだっていけたりするか?)


 そんな事をちょっとだけ妄想する野乃野足軽。けどその時、沢山の情報に頭に痛みが響く。


(くっ……)


(人の脳ではこの情報量は耐えきれないかもしれないですね。素早く済ませましょう)


 日本の都道府県でもなく、そこにあるいくつかの街をくまなくスキャンするだけでこれである。実質地球上を全て網羅するレーダーを自身から出せるとしても、それを処理するなんて無理なんだなって野乃野足軽は理解した。それこそ人ではないアースだからこそ出来ることなんだろう。


(レーダーを広げた範囲にいる存在と過去で得た対象のデータを照合します。波長や大きさ、そして色、それらは個体によって違い、同じものは存在しません。ですのであれが私たちが探してる個体です)


 力の範囲内には一つの個体が浮かび上がってる。頭の中では位置がわかるが……別に地図上に点があるわけでもなく、存在を感知してその場所がわかってるだけで正確な位置ってわけじゃない。


 とりあえずこの方向に進めばいるだろうって感じだね。勿論、全くわからずに闇雲に探すなんてことをするよりは百倍はマシだ。なにせ常に対象の存在の位置はこっちから把握できるわけだから。


(対象の姿を確認しましょう)


 そういってアースは野乃野足軽の目で、犬を映し出す。勿論対象の犬は目の前にはいない。けど野乃野足軽にはたしかに見えてる。


(これって?)


(視力を強化、そして透視を併用しています。うまく使えばどこでも覗き放題ですよ)


 それはそれはなんとも魅力的な……とか野乃野足軽は思ったけど、ふと我に返ってその浮かんできた考えを振り払うように頭を振った。


(とりあえず場所も分かったし、行くぞ)


(高みは見えました?)


(ああ……めっちゃ遠いってことがわかったよ。でもめっちゃワクワクしてきた)


 そういう野乃野足軽は駆け出していた。

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