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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
41/816

40P

(まずはポスターに触れてください)


(サイコメトリか? もうやっただろ?)


(良いから触れてください)


 アースのその問答無用な言い方に野乃野足軽は再びポスターにふれる。そして何をやったかといえば、野乃野足軽と同じ様なサイコメトリのようで全く別のサイコメトリみたいな? そんな感じだった。野乃野足軽は残留思念を読み取って情報を得ようとしたが、アースは違った。


(これは?)


 野乃野足軽は知らない家にいた。家というか部屋だ。でもここを野乃野足軽は断片的に知っている。なぜなら残留思念で見たからだ。ここはどうやらこのポスターを作った一室だ。でも今までのサイコメトリではその残留思念を残した人の視点だった。だからこそ、その人が見てた部分しか見えなくて、一部しかこの部屋自体を見ることはできなかった筈だ。


 でも今の野乃野足軽は部屋全体をみれる。部屋の空中に漂ってる……かのようになってた。だからここにいる人物もはっきりと見える。少女と、その母親だ。


(これって……どういうことだ? サイコメトリじゃないのか?)


(サイコメトリよりももっと高度な事象です。ポスターの残留思念を読み取り、それを起点に過去に飛びました)


(過去?)


(ええ過去です。わかりませんか? そうですね、時間軸上の後ろへと飛んだのです)


(いや過去くらいはわかるけど……)


 そういう野乃野足軽だけど、実際驚愕してる。たしかに過去という言葉は知ってる。けど実際現実で過去を体験することなんて不可能である。だって時間は前にしか進んでない。そして過去に戻ることは不可能なんだ。


 でもどうやら、アースの言葉を信じるのならば、野乃野足軽は今過去にいるらしい。たしかにこの場面はサイコメトリで見たこと有る。少女が泣きながらポスターを作成してる場面だ。


(でもここって……)


 野乃野足軽はそう言って周囲をみる。そして窓の外、少女を観て更にいうよ。


(止まってる?)


(時間を流す必要もないですからね。そうなると情報量が増えます。それに厳密には過去に飛んだというよりも、過去のデータを引っ張ってそれを展開してると言う感じです)


(なるほ……ど?)


(とりあえずそこにある犬の物に触って観てください)


 今までのサイコメトリとは決定的に違うのは、今の野乃野足軽は誰かになってるわけじゃなく、野乃野足軽として、この部屋に現れてるってことだ。だからこそ、自由にこの部屋を歩き回る事ができる。今までのサイコメトリではその人になってたから、野乃野足軽の意思が介在することは出来なかった。けど、今は違う。


 アースに言われたとおりに、野乃野足軽は部屋の隅にあったペット用のケージに近づいて、ここの犬が使ってるであろう餌皿に触れた。するとアースがその餌皿からペットのことを読み取る。


(必要な情報は揃いました。戻りましょう)


 そう言って再び僕は現代の時間へと戻ってきた。過去のものに触れることでサイコメトリみたいな事ができるのか? と野乃野足軽は思ってたよ。けどどうやらこんなのまだ序の口だったらしい。

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