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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
398/833

396P

「すごい……」


 野々野足軽はそう呟いた。それはドラゴンへと言ったわけじゃない。今使ってる自身の力……それに驚いてる。まさに弾丸の様に迫るドラゴンだ。あの質量……そしてあの硬さ……それで迫ってくるドラゴンはまさに狂気で、トラックなんて目じゃなく、新幹線とかとぶつかるとかよりもきっとその衝撃は強い。このドラゴンの突進なら、山に突っ込んで穴を開ける……程度できるだろう。つまりはそれだけ凄いってことだ。生半可な守りではそんなのは砕かれて野々野足軽自身が木っ端微塵になるだろう。

 だからこそ、本当なら避けるのが鉄板だ。まあそれでもこのドラゴンはこれだけのスピードをしてるくせにその動きは縦横無尽。まさに風……いや嵐のようなんだ。普通ならトラックだって新幹線……それに飛行機だっていいし、ミサイルだって急に曲がったり出来ないだろう。

 でもこいつはこのスピードを保ったまま曲がれるし、回転だってできる……物理法則になんて縛られてない。そんな厄介な存在。けど受け止めてしまえば、関係なんてなかった。それができるかは別にして。以前の野々野足軽には無理だった。それに疲弊してても無理だっただろう。向こうの空間ではたとえ当たったとしても、それは力だったから、「くそ!」とか言う程度で済んでた。


 けどこっちに来たことで野々野足軽はその本体で相対することになった。そうなったら、一回当たったりしたら「くそ!」なんて言えずに死ぬ可能性は高い。だからこそ、回復できたのは大きい。そしてこの新たな力。


「風が操りやすい。それに……これならもう……小石を周囲にはべらせておく必要もないかも」


 今まで自由自在に飛ぶとなったら小石を周囲に浮かべてその中で風を暴れさせて、自然にその風で小石を割るような……そんな風を作ることで完全に自分で支配できる風を野々野足軽は作ってた。それによって自由自在に飛ぶ……ということができるようになってた。

 けど……今はもう、そんな煩わしい事をする必要を野々野足軽は感じてなかった。だって野々野足軽は感じてる。すべての風の流れを……そして風の声を。


「いこう、力を貸してくれ」


 野々野足軽はそういってドラゴンを吹き飛ばす。けどその勢いにのってドラゴンは大きく旋回しだす。そしてその怒りが野々野足軽に向いてるのも感じてる。きっとあの風の女性が野々野足軽に力を授けたから、それをあのドラゴンも感じてるんだろう。ドラゴンが野々野足軽を風の女性と思うほどの力。


 野々野足軽も前に出る。そして……あっという間に弾丸の様に飛んでるドラゴンと並走する。


(凄い、これなら、スビードでも負けない!)


 野々野足軽はそう確信した。

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