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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
397/834

395P

「別にあなたのせいじゃ……」

『いいえ、これは私のせいです。あの子は私の絶望によって生まれたのですから……』


 野々野足軽の言葉に風の女性はそういった。それに対して野々野足軽は「やっぱり」と思った。彼女はもともとは風の子と風の少女だった。二人が合わさって女性へとなった。なんで少女の部分が強く出てるのかはよくわからない。けどとりあえず二人は同じ存在になったんだ。

 いや、違う。野々野足軽は元々が風の子も風の少女も同じ存在だったと思ってる。もともとこの世界を流れる風……なのだ。だからこそ、そこに違いはない――ってことだったんだと野々野足軽は考えてる。そしてだからこそ……だからこそ、この風の女性は責任を感じてる。

 そう、彼女とあのドラゴンは同じ存在なんだ。


「どうしたらいいんですか?」


 野々野足軽は風の女性にそう問うた。それは野々野足軽もあのドラゴンをどうにかしたいし、その手伝いをするって言ってるのと同義だ。


『やってくれるのですか?』


 そんな風に言ってくる風の女性。けどそんなのは今更である。野々野足軽はさっきまで戦ってたのだ。意図せずに風の少女は助け出すことが出来たが、ドラゴンがこっちの空間にやってきてしまった以上、何もしないなんて選択肢は野々野足軽にはなかった。このまま「じゃああとはよろしくー」なんてやっても、きっと気になるだろうって野々野足軽は確信してるんだ。それならば、最後までちゃんと付き合った方がいい……それが野々野足軽の選択だ。


「今更でしょ。それに……中途半端は嫌なんです」

『それならば、私の力を使ってください』


 ドラゴンがこっちの空間……現代の場所に来た。その時点で放っておくとどうなるのか……そんなのは考えたくもない野々野足軽だ。そんな野々野足軽に風の女性は力を与えてくれる。キラキラとしてる風が野々野足軽を包み込む。既にかなり力を使ってて、倦怠感が襲ってたわけだが、その疲れが吹っ飛んでいったように感じた。


「これは……」

『私を助けてくれたあなたなら、きっとこの力を正しく使ってくれるでしょう』


 そういう風の女性は世界に溶けるように消えていく。けど、その存在は感じるし、力も……そう、野々野足軽は自身の中に生まれた新たな力……それを感じてた。ドラゴンが再びその翼をたたんで、弾丸のように突っ込んでくる。向こうの空間ではよけることしかできなかったその攻撃。それを野々野足軽は前に出した腕……の先の風で受け止める。


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