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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
39/816

38P

(動物に居場所を聞くってそこまで効率的じゃなくないか? なにかもっといい方法はないか?)


(そうですね……)


 野乃野足軽の言葉にアースは考え込む。勿論野乃野足軽も自分のできること、そしてこれまで漫画やアニメ、映画やその他諸々のエンタメから使えそうなものはものはないか? と考える。


(この写真から居場所を特定とか出来ないか? その存在を検知するとか……)


(その写真の残留思念によりますね。ですが、写真ということは、撮った者、そしてそれを貼った者の思いのほうが強そうですが?)


(確かにそうか……でもやってみる価値はあるよな?)


(そうですね)


 物の残留思念を読み取る好意……サイコメトリとかいうやつを野乃野足軽は試してみるみたいだ。実際それを試した事は何度かある野乃野足軽だ。けど有意義な何かが見えた事はない。何かが見えたとしても、どうしても解像度が低くて、まるでスマホで観る180Pくらいの解像度の映像みたいで何が何だかわかんないってのが今までだった。


(これって其の物に触れた方がいいよな?)


(そうですね。このままだと読めるのはそのスマホの残留思念になりますね。もっとあなたが高度に力を使いこなすことが出来るのなら、それこそこの写真越しでも出来るかもしれませんけど……その自信は?)


(有るわけ無いだろ)


 というわけで、野乃野足軽はあのポスターのところに戻ろうとした。でもその必要はなかったみたいだ。


(あれは同じものではないですか?)


 そんな風に伝えて来たアースのお陰で、同じポスターを見つけた。たしかにあれだけだとは思ってなかった野乃野足軽だけど、こんな都合よく見つけれるとは……と思った。きっと大切な犬だから発見率とか情報が集まる可能性を高めるために、沢山はってあるんだろう。


(よし、やってみるか。何かコツとか有るのなら頼む)


 そう言ってポスターに触れて、その残留思念を読み取ろうと野乃野足軽は集中する。傍から見たらポスターに触れて目を閉じてる変な人だから、なるべく早く終わらせたい野乃野足軽だ。


(いくつか残滓が有ると思いますが、一つに絞ったほうが解像度はたかくなります。一気に読み取ろうとすると色々と混じって意味不明になりますからね)


(なるほど)


 その言葉を聞いて更に集中すると、たしかに力の質? というか残留思念の質が違うのがなんとなく野乃野足軽にも伝わってくる。人には個性があるように、その残る思いにもその人の個性というか色みたいなのがあるのかもしれない。


 同じ色で小さいの大きいのや、違う色の残留思念もある。一つの物に複数の残留思念があるのはきっとこのポスターは一人で作ってはないからだろう。一緒に作った人とかの思いが残ってるということだと思う。


(1番強い残留思念から読み取る)


(動物の声を聞くときと同じです。その残留思念に波長を合わせて、自身の中に取り込んでください)


 その声を聞きながら、野乃野足軽は残留思念を力で包み込み、そして波長を合わせて混ざり合っていくと、自身の感覚が切り替わった。


※※※


『デーチェ帰ってきて……寂しいよ』


 悲しい気持ちが野乃野足軽の胸にこみ上げる。視界にはさっきまで見てたポスター。けどまだ完成してない。今まさに作ってる……そんな感じ。けど、それを作りつつ、『彼女』は泣いてるのか、グズグズ鼻を鳴らしてる。『彼女』がどれだけこの犬『デーチェ』を大切してたのか、伝わってくる。いや、野乃野足軽にはその気持ちもこの時の彼女の状態までも自分のことの様に感じてる。


※※※


「いまのは……」


(残留思念を読み取れたようですね。思念を読み取るということは他者の経験を追体験するということです)


(今のは飼い主の気持ち、その時の情景って事か……)


 野乃野足軽は胸を抑える。今までは仕方なくとちょっと面白半分で……って感じに捜索してたわけだけど、さっきまでとは野乃野足軽の顔つきはかわってる。


(この力が役に立つのかはわかんないけど……早く見つけてあげよう)


(やる気を出してくれて何よりです)

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