表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
386/832

384P

「いや、今はそんな事を考えてる場合じゃない。なにせ体はこっちにある。完全に力を閉ざす……なんて必要はない。ても……向こうに体ごとあったほうができることが多かったのは確かだけど……」


 そんな事を野々野足軽は呟いた。やれる事はやっぱり直接……の方が多い。でも安全性を考えるとこっちでよかったとも思ってる。それに不自由だからこそ工夫をやろうと思える。それにこのドラゴンは今までとは違って、野々野足軽が勝てないかもしれない……そんな存在。いままで野々野足軽は『力』を得て負けたことなんてなかった。

 けどこのドラゴンにはその可能性がある。怖い……という気持ちは今も野々野足軽はある。けど同時にワクワクもしてた。なにせ……だ。なにせこんなに色々と力を試せる相手……今まで居なかったんだ。本当ならこの世界には実は野々野足軽のように『力』を手にした人はもっといて、そしていろんな『組織』が暗躍してる……と思ってた。勿論まだその可能性はある。なにせ野々野足軽の力が高まってきてるとはいえ、世界は広い。そのすべてを網羅するにはまだ至ってない。

 だから完全に野々野足軽は自分だけがこの『力』を持ってるとはまだ思ってなかった。それでも野々野足軽がいる範囲では、相手……そう対等な相手何ていなかった。だからちょっと物足りないな……と思ってた。そんなところに現れたドラゴン。確かに怖いけど、今の力をどれだけぶつけられるか……それを試せると思うとワクワクしてしまってしかたない。


 なにせ……野々野足軽だって男の子なんだ。こんな戦い、何回も想像とかしてた。それが今実現してる。いや、ピンチなんだが……それでもどうやって今できることでこの窮地を乗り越えるか……それを考えるのも楽しいと思える。


「よし……」


 視線ではだめだ。そう思った野々野足軽はなるべく薄く力を広げることに注力する。そして一定のところに力溜まりをつくる。そうしないと一気に手のところに詰め寄られるからだ。最低限、どこかには力を放出してる手よりもほんの少し多い力溜まりが必要だ。あの巨体で姿も見えないほどのスピード。気づいたら手をぱっくんちょ――されてるとかありえる。だから力を渡すつもりでもそれを怠ることは出来ない。


(目で捉えるのは諦めたけど……他の方法でお前の姿を見てやる!!)


 それこそこの薄く広げた力にかかってる。風をまとって動いてるドラゴンだ。その力の余波はすごい。だからそこ、それを感じる。その軌跡……それを見る。早すぎる動きだ。けど、絶対にその影響はあるんだ。力をあれだけ垂れ流して動いてるんだから当然だろう。それを正確に把握する。軌跡は過去かもしれない。既にドラゴンが通った跡だ。けど、移動してる場所はわかる。そしてそれを辿って行くことで……


「捉えた!!」


 そのスピードで力溜まりに噛みつこうとしてたドラゴンから力を拡散させて守る。実際捉えるまでにかなり食われたが……それでもまだ希望はある。なにせ……今の野々野足軽にさっきまでまるで見えなかったドラゴンがはっきり見えてる。


(これが目じゃない部分で見るって感覚か)


 野々野足軽は新たなる『目』を手に入れていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ