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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
377/855

375P

(怖気づくな俺! やれる! やれる! やれる――と思う。多分……なんとか……この力を試したい気持ちもあるしな……)


 怖くないわけはない。なにせ人類でドラゴンに立ち向かったやつなんていないだろう。これがきっと初だ。野々野足軽は誰にもできないことをやろうとしてる。


「きっとここからくるってわかってるよな……」


 そういう野々野足軽は穴の前にいる。そしてその周囲はヒビが入って所々で空がはがれてる。この穴の向こうにはもうドラゴンがいるとわかってる。なにかがいるかもしれない――という恐怖はない。けど、ドラゴンがいるという恐怖。そして一回ここで食われてるのだから、きっとドラゴンも意識してるんじゃないだろうか? と野々野足軽は思ってた。

 この穴から出てくるのを待ち構えてておかしくない。そして穴に入れるときは完全に力を無くしてないといけない。ようはただの人になるという事だ。その部分が。だからその瞬間にまた噛みつかれたら? それが怖い。でも――「きっとくる」――とわかってるのなら……手を突っ込んだ瞬間にどうするか事前に決めておこうと野々野足軽は今考えてた。


(噛みつかれても、噛みつかれなくても、真っ先に力を放ってやる)


 力を圧縮して放つ……単純なことだけど、実際やったのは始めてだった。なにせそんな事をする必要がなかったというか、そもそも危なそうだったからやったことなかった。それにそういうのは自分には……と野々野足軽は思ってた。なにせ野々野足軽は自分の力を超能力と思ってる。だから光線を出すって超能力か? というね。それがあってやってなかったといっていい。それに岩を持ち上げて飛ばすとか、そこらの物を使って意のままに操る……ってのはとても超能力者的でそういう事をやってたといっていい。

 

 そもそもが力を集めて集めて、それを放ったとして――はて? である。そもそも野々野足軽だって自身の力の根幹というか、それか何かよくわかってない。それを集めて集めて圧縮してみたとして、ビル位を持ち上げることができるようになる……とかしか思ってなかった。まさかビームが出るとは……なんだ。


 だからまだまだそれを使いこなすのは難しい。けど幸いにここでは事前に準備ができる。右手から力を完全になくし、その無くした分と体内にある力を肩くらいで集めて準備を整える。穴を見つめる野々野足軽。息を吸ってはいて、覚悟を決めて腕を突っ込む。その瞬間めっちゃ嫌な感じがした。きっと来てる! まだ視界も飛ばしてないが、それでもわかるような気がした。

 野々野足軽はだから、事前に準備してた力を体内を通して穴の向こうへと届けて開放する。


「――かはっ!!」


 どのくらいならとりあえずドラゴンをふっとばさせるのかわからなかったから、野々野足軽はかなりの力をその一撃に注ぎ込んでた。一切動いてないはずだが、心臓は早鐘のように鳴り響き、汗も凄い。けどとりあえず手を嚙まれることはなかった。なら次に力を穴の向こうに送ってすぐさま視界を確保しないといけない。

 なにせ戦いはまだ終わってないんだ。むしろ始まったばかり……

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