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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
37/816

36P

「でもこれじゃあ動物を使って探し犬を見つけるって無理じゃ……」


(もっと優しく、こっちも単語で接すればいいでしょう)


「なるほど……」


 確かに聞くだけなら、カラスも無事だ。もっと慎重にいけば、会話……は無理でも意思を通じ合わせてるくらいは出来ると思いたい。とりあえず野乃野足軽はそこらに犬でもいないかと探す。


(ここらへんで野良犬なんて見ないんだけど……)


(あそこに犬種ならいますよ)


 そういうアースが見せる犬には野乃野足軽も気づいてた。けど、その犬にはリールがついてる。そしてその先には当然飼い主がいる。つまりは飼い犬だ。


(いやいや、飼い犬にいきなり話しかけるなんて出来ないだろ)


(可愛いですね~といって近づけばいいじゃないですか)


(そんなコミュ力ないっての)


 確かにそういう風に近づいていく人もいるだろう。けど野乃野足軽にはそんなバイタリティはない。てか普通に恥ずかしい。でもやっぱり犬のことを聞くには犬が良い……みたいな気はしてる。そしてここらには野良犬なんてのはいない。だいたい観るのは飼い犬だった。


 猫は自由に歩いてたりするが、犬は独自で闊歩してるって事がない。だから飼い犬以外に出会うのは難しいと野乃野足軽はわかってる。


(なら、遠くから会話だけしたら良いでしょう)


(いやいや、そうすると不自然だろ。会話してるときっと犬は立ち止まるし、こっち観るぞ。犬と見つめ合う男なんて、それだけ聞くと不審者じゃん)


 一応制服を着てるから免罪符になるかもしれない。まだ子供だし、ただの恥ずかしがり屋かなと飼い主さんも思ってくれる可能性はある。けど確実に変な子だな……と思われるだろうなって野乃野足軽は思った。


(貴方はその力を使いこなしたいのですか? それとも人間として生きたいのですか?)


(いやいやいや、その二択はおかしいだろ。なに? この力を使うと人じゃなくなるのか?)


(周囲がどう、判断するかですね)


(それはそうだけど……この力を公表なんてしないっての)


 アースが言う通りに、周囲がどう判断するかになる。そしてその結果を野乃野足軽もなんとなく想像してるから、この力を言いふらすなんて気はない。でも力を使うだけでは人じゃなくなる……なんてことはないだろう。そう野乃野足軽は信じてるよ。


(公園とかに行けば、飼い主がおしゃべりしてて暇そうにしてる犬とかいるかもしれないな……)


 散歩中に話しかけると、飼い主にも怪しまれるが、元々立ち止まってる犬ならそんなに怪しまれずに行けるのでは? と野乃野足軽は考えた。なので近くの公園にいくことにした。その前にとりあえず迷い犬のポスターをスマホで写真にとる。


「あれがいいな」


 そこそこの公園には子どもたちが元気に遊び回り、奥さん達が井戸端会議をしてた。そして犬と共にベンチに座ってる老人。その足元に丸まってる大人しそうな茶色い犬がいた。あれがいいと思って野乃野足軽はスマホを操作するふりをしながら、近づいていって隣のベンチに座った。そして力を使って会話を試みる。


(えーと……聞こえますか?)


 とりあえずなるべく短い単語が良いらしいからまずは1言て様子をみることにした野乃野足軽。すると地面に丸まってた老犬? は耳をピクッと持ち上げた。けどそれだけだ。どうやら気の所為と判断されたらしい。


 でもあれは聞こえてる反応だ……と野乃野足軽は思ってもう一度話しかける。

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