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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
363/834

361P

「これは……」


 野々野足軽は穴の向こう側を観た。それは色んな所にうずまきがあるような……空間? といって良いのか? そんな場所が広がってる。

 暗いような、明るいような……実際明るいとなったら、一体何が光源なのかわかんないが、これは力を通して観てるから、そう見えてるだけ……なのかもしれない。本当ならただの真っ暗な空間に見えててもおかしないのかも? と野々野足軽は思った。こうやって色々と見えてるのは、事前に野々野足軽が力を広げてたから……その説はある。

 実際、力を通しての遠視って普通の人がやってる『見る』という行為とは違う。普通は人体の標準の機能を使って普通の人は見てるし野々野足軽だって、普段はそうである。

 つまりは眼球に光が入ってきて、その情報を脳が処理して……という感じの機能である。目は光を取り込む為の器官なわけで目を通して世界を観てるってのは人々の共通認識だろう。


 けどだけど、こうやって遠視をしてる時、野々野足軽はその目に光を取り入れてるわけじゃない。けど、見えてる。見えるのだ。原理をそれまで考えたことなんてなかった。いや、最初はそれこそ「なんで見えてるんだこれ?」――とかおもったことはあった。

 けどそのうち気にすることもなくなった。なにせただ便利だからだ。人間、楽な方へと流れる生き物である。便利なら、過程も工程も「ま、いっか」出来る。

 いやそれは野々野足軽の人間性もあったかもしれない。これがとことん気になる――とかいうやつだっているだろう。けど野々野足軽は細かい事は気にしないタイプだったのだ。

 けどここにきて、再び考えた。なにせこの空間にはそもそもが光を発する物体も存在なんてしてないはずだ。地球にいれば、やっぱりどうしても太陽の存在はちらつく。なにせ大きすぎる存在だから。けどここはすでに地球の何処か? ではない。空間が違うんだ。だからここにはきっと光だって通らない。

 いや、そもぞもが光を通してなかった。なら闇が広がってておかしくない。まあ空間自体が光っててももしかしたらおかしくないのかもしれない。

 光る空間があったとしても、それを否定することなんて野々野足軽にはできない。なにせ空間とは? とかいわれても野々野足軽の知識ではなにもいえない。ただなんとなく使ってるだけだ。


「このいろんな渦巻きは一体……」


 この空間の至る所にあるそれに力を通してみると、力も渦巻いていく。それもどこまでも……だ。


「きりがないな。それにしても……これだけ?」


 そんな風に野々野足軽は思った。なにせもしかしたら別の空間に繋がってるとしたら……だ。もしかしたら異世界とか? そんな場所があったり――と思ってなかったといったら嘘になる。

 けどなんか面白みもないような……そんなことを思ってちょっとがっかりな野々野足軽である。そんな野々野足軽に声が聞こえる。


『助けて……』


 そんなか弱い声だった。

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