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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
361/833

359P

「ふう……」


 大きく息を吐く野々野足軽。恐る恐る目を開けると、そこにはな何もない腕があった。とりあえず穴に手首の所まで突っ込んだ野々野足軽。

 多分、手首の先は穴の中に今はある。


(感覚はちゃんとあるな)


 だからこそ、手が無事なのはわかる。手の中で握ったり離したり……ようはグーとパーを繰り返して感覚を確かめる。何かいつもと違うことはないか? とか確認してるのだ。けどとりあえずいつもと違う感覚というのはない。

 中にいれたら何か普通とは違うことがあるか? ――と野々野足軽は思ったけど、野々野足軽は拍子抜けてしてる。そしてぬるっと穴から手を出してみた。

 これ実は手がなくなってる……とかだったら驚愕してたことだろう。けど……


「うん、問題ないな」


 きちんと手はあるべき所にあった。


「さて次の工程に進もう」


 力を纏わなかったら、穴の中へと手を入れられるとわかった。そしてこれがちゃんとした穴……というのもわかった。


「む……やっぱりこうなるか……」


 ふと意識をそらしてると、野々野足軽の手には力が付随してた。これはなかなかに厄介だった。どういうことかというと、自身の身体から、一部分だけ力を完全になくす――という行為がなかなかに大変なのだ。

 実はそんなことは野々野足軽は思わなかった。なにせ自分の力である。自由自在に使える……というか最初は無理でも、今の野々野足軽は日々の研鑽でかなり力を使いこなしてる――と自負してる。


 だから力を自身から剥がす……というのは簡単だと思ってたんだ。その前に小石から力を剥がしてたというのもある。けど小石と自分の身体から力を剥がすというのは違った。なにせ……だ。なにせ小石はその全体から力を抜けばそれでいい。


 けど自分の身体全部から力を抜く……なんて出来るわけない。なにせ力は野々野足軽自身から溢れ出てるのだ。だから溢れて来る力を完全にせき止めるってのは案外大変だった。それは野々野足軽が考えてたよりも全然――と言っておこう。

 それに小石は無機物だが、自身の手はもちろんだけど血肉が通ってるわけだ。いきてる。それは体全体がそうなのだ。力だけをせき止めるっていって、下手したら色々な物を止めることだって、今の

野々野足軽にはできてしまうのも問題だった。


 普通の人にはそれこそ体中に流れる血液を止める……なんて事はできないだろう。けど野々野足軽には出来る。それに普段から野々野足軽はそれこそ体全体を力で覆ってる。それは自身を守るためである。なにせ生きてるだけで危険はいっぱいなのだ。いつどこで車が突っ込んでくるか……ナイフで刺されるか……巡航ミサイルが飛んでくるかわかんないのだ。

 巡航ミサイルは言い過ぎかもしれないが、日本のそばにはポンポンとミサイルを撃ちまくる国がある。ある意味で想定できない事態でもない。

 だから日々研鑽して野々野足軽は力を鍛えてる。そんな力の守りは風のそよぎや空気の流れ……匂いとかまでは阻んではない。だから力を開放したところでいつもの感覚と変わらない――と野々野足軽は思ってた。


 けど何か違う。ソワソワする。やっぱり色々と守られてたんだな……と野々野足軽は思った。力を剥がすのも大変だし、剥がしたあとはソワソワして落ち着かない。まるでそう、この感覚は裸で外に出てるような……そんな感覚だった。

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