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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
333/832

332P

「あれは……まずいよな」


 野々野足軽はそうポツリといった。その視線の先には仮面の男と三人の女性。二人は二十歳超えてそうな女性だ。けど一人は制服を着てるから明らかに高校生だ。それも野々野足軽の通ってる高校の制服だった。この日は休みだったけど、きっと彼女は部活とかあったんだろう。

 そしてもう今は夜である。あの三人は解散する感じではない。そうなるとどこに行くのかってのは限られてくる。大人の人達は野々野足軽は自己責任だと思ってる。

 だからどうでも……とは言い過ぎかもしれないが、ある意味で仕方ないと思える。けど高校生はまずいだろう。このままあの子を食べる気なら、それは少女淫行である。

 きっと仮面の男は成人してるだろうし、それは立派な犯罪だ。でも彼女は悪魔に魅入られてる。きっと警察とかが出てきたとしても、あの子が同意して……とかになるだろう。

 なにせそれをあの子が言うのである。それを否定できる人はいない。周囲は勿論こんな仮面の男となんて……って思う。薬物とかも疑うかも知れない。でも……たとえ調べたとしても何もでてくるなんてことはない。だって彼女の奇行は悪魔のせいだからだ。

 どんな医療器具を使ったとしても悪魔の姿は見えないだろう。このままじゃ彼女はあの仮面の男に食われる。


「女子高生だやっほー」


 とか言って嬉々として食うだろう。それがイケメンの特権……とかあいつは思ってる。そこに疑いはない。なにせあいつは自身の事を理想のイケメンだと思ってるからだ。イケメンに抱かれることはきっと女にとっても幸せなこと――くらいに思ってるだろう。


 けどそれは当然だけどあの子の意志はそこにはない。一番の被害者は彼女になる。ただの女子高生を巻き込んでしまった……という罪悪感……それが野々野足軽を動かしてる。


 どうやら三人は電車を待ってる。このまま電車に載せたらまずい。なにせ野々野足軽の乗る方の電車とは違うからだ。


(悪魔をどうにかする……ってのは今の段階では危険か……)


 なにせ悪魔という存在があの美女にどんな影響を与えてるのかわかんないし、そもそもが悪魔にどんな力があるのかよくわかってない。ここで下手にあの悪魔に暴れられたら大変だ。

 イメージ先行してる部分があるかも知れないが、警戒するに越したことはない……と野々野足軽は思った。


(彼女だけを正気に戻す)

『もうひとりは?』

(もう一人は……確かにあの人も悪魔に操られるだけかも知れないか……)


 悪魔に取り憑かれた美女と、女子高生ともう一人の女性。そのうちの二人がなんの罪もないのなら、たしかに女子高生だけを開放するのも悪いのかも知れないと……とアースの言葉で思い直す野々野足軽。

 とりあえずまずは力で彼女たちを覆う。それだけで悪魔の変な電波? とかが遮断されればいいなって思ってた。けどそうはならないらしい。そこで野々野足軽は彼女たちの内部を調べる。悪い物……とかいう先入観じゃなく、ただ単に異物を感じるようにした。そしたら何かを感じることが出来た。なにか黒いしこりのような……それが女性たちの内部にある。

 それに触れると何やら黒い感情が溢れ出すような……暗い気持ちになってくる。


(助けて……)


 そんな黒いしこりの内部からそんな苦しそうな声が野々野足軽には聞こえた。

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