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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
321/826

320P

「なんですか? 私と彼の邪魔をする気?」


 軽い感じの仮面の男とは違って、とても鋭い目を美女は平賀式部に向けて来てる。それは明らかに相手を敵としてみてる……そんな目だ。でもそれも仕方ないだろう。だって彼らもデートをしてたように見える。そんなとき、どこの誰とも知らないような女がデートを邪魔してきたら? いやな気持になっても何らおかしくない。


「えっと……その……」


 平賀式部も普段は強気というか、冷たそうな印象が強い。美人の宿命なのか、なんとなく冷たそうというか、近寄りがたいとか……そんな領域を常に展開してるように見られる。

 けどそれは別に冷たいとか、誰にも入ってきてほしくない……とかそんなことじゃない。ただ、いつだって特別な扱いを受けて来た美少女たちは遠巻きにされることが多かったし、ちかよってくるのもそもそもが積極的な子たちが多かった。

 そのせいで受動的になってしまったのだ。もしも平凡から下くらいの容姿だったら、誰も興味なんて持たないからそれである意味で静かに生活ができるのかもしれない。

 でも……彼女たちのような美人はそうはいかない。沢山の人達に興味を持たれるのは自然の事だ。だから受動的になっても美人は周囲が放っておかない。

 つまりは平賀式部もそうやって受動的なってたのだ。こうやって自分から話しかける必要性なんて……ほぼなかった。野々野足軽に話しかけてたのは、そもそもが気になってたから勇気を出してただけだ。今もそれに近いのはあるが……どっちかという野々野足軽に話しかけてた時は前向きな気持ちだったが、今はそう……後ろ向きな気持ちだ。


 そうなると、気持ちを保ってられないから、にらまれたら二の句がつげないでいる。そんなに気が弱い……ってわけでも平賀式部はないはずだが……


「まあまあ、きっと彼女も俺が気になったんだよね? それはほら、仕方ないからさ。俺に免じて許してあげてよ」


 そういってる仮面の男。周囲の人たちは「そんなわけあるか!?」と思ってるが、目の前の美女だけは「そんなにいうのなら……」とかいう感じである。


(別に、精神混濁とか……しないよな?)


 野々野足軽は気になって彼女の頭をちょっと力で調べる。だってそうでないとこの美人の反応はおかしい。でも、野々野足軽が力で調べた限りでは、精神が普通の状態ではない――みたいな状態ではなさそうだった。変な影響とかも受けてない。ならなおさら不思議で仕方ない野々野足軽だ。


 そんなことを思ってると、仮面の男はとんでもないことをやった。


「ほら、いつまでも立ってないで、座っていいよ」


 そういって平賀式部の腕を引っ張る……すると平賀式部はバランスを崩して、ポスッと仮面の男の太ももの上に納まった。これには流石に野々野足軽も黙ってなんてられない。

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