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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
304/834

303P

「ほら、早く小頭ちゃん!」


「いや、なんで私まで……」


 放課後、あわただしい学校生活がおわったと思ったらなんかいきなり野々野小頭の教室までやってきた草陰草案に引っ張られる。その前に、いきなり教室に黒服がやってきたから、「なんだなんだ?」って周囲がなって、その黒服たちが廊下から扉に続くまでの道を囲んで導線にしてた。


 そこを走って草陰草案は野々野小頭に抱き着いてきた。もうこうなったら、普通の……そう普通の、何の特殊能力もない野々野小頭には逃れる術なんてない。だってしっかりと彼女たちの道を黒服たちが囲んでるからだ。草陰草案が侍らせてる黒服たちは全員がそれこそ180くらいありそうな……そんな奴らばっかりで、野々野小頭とか女子中学生からしたら山のようにたかい。


 その髪色は様々だが、一応に皆が黒のスーツに黒のサングラスをしてる。はっきり言って迫力がやばい。


「それはもちろん、小頭ちゃんが私の大切な友達だから……だよ!」


 そういってギュー! としてくる草陰草案。どうやら草陰草案はあの日、あの時、朝日倉三達のスタジオで言ったことを今も気にしてるらしい。


 実際、あの時もしも草陰草案に『力』がなかったら、きっと後悔したまま二人は永遠の別れをしてただろう。だからそんなのはもう嫌だと、草陰草案はなんかとても素直な言葉を心掛けてるらしい。


 実際あの日から、草陰草案は今までの感謝を色んな人に伝えてたらしい。それこそ家族とかにも。そのおかげで、なんか今は結構いい関係になったとか。その前は、どうやら放置気味だったとか。


 実際自身の娘……息子でもいいが、そんなのに変な力が宿ってたらどうだろうか? 実の子供だから――それだけで「家族」として愛せるのだろうか? 


「私は絶対に顔出ししないからね」


「わかってるよ。危ないからね」


「それをわかってるのなら、私とは一定の距離を置いてよ」


 常に周囲に黒服を侍らせて警戒しつつ、二人は学校の廊下を歩く。二人はいつもの距離感……いや今までの距離感だ。それは野々野小頭にとっては当たり前……でもそんな態度を今も取ってくれるからこそ、草陰草案はより野々野小頭を気に入ってる。


「ふふ、いーや」


「なんでよ? あんたが有名になればなるほど、私だって大変なんだけど?」


「それでも、小頭ちゃんは小頭ちゃんのままでしょ?」


「なにそれ?」


「ふふ、絶対に離れてやんないってことだよ!」


 そういってこれからも野々野小頭を引きずり回す宣言をする草陰草案。それに「やれやれ」としつつもこいつの傍にいたら面白いものが見れそうだなって、実は野々野小頭も思ってる。

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