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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
299/833

298P

「この病院に私がいることって……」


「秘密だよ」


 そんなことを東海道馬脚が口に手を当てていった。どうやら伝手というのは彼の立場を使った……らしい。この病院の関係者にどうやら東海道馬脚は顔が効くらしい。


 だからいろいろと厄介な手続きを取らずに診断してもらって病室に押し込んでる……ということだった。


「あの……私……刺した……人は?」


 自身が刺されたときの感覚は今でも鮮明に覚えてる野々野小頭だ。唇がその言葉を紡ぐだけで震えてた。なにせ色々と気を使ってくれたのはわかったが、それだと事件にはなってないのでは? と思ったからだ。なにせ野々野小頭は今は別の服に着替えてる。質素なジャージ姿である。


 流石に草陰草案の力でも傷は治せても、ナイフに貫通された服を直すことは出来なかったらしい。だからめった刺しにされた野々野小頭の傷は綺麗になくなったものの、穴が開きまくった服をそのまま着せておくなんて出来ないって事で替えの服が着せられてた。


 でもそうなると、事件性ってやつがどうなったのかわからない野々野小頭だ。もしも……もしもあの女が再び世に放たれてる……なんてなったら、もう怖くて外を歩けないって思うほどだ。


「大丈夫、あの女は今は警察だ」


「私を刺した……ことで?」


 震える声でそう言う野々野小頭だけど、それにはアンゴラ氏が首を振る。


「いや、刺されたのに傷がないとか、けが人がいないとかなると、こっちが疑われかねないからな。だから警察には元々相談してあったらしいストーカー被害でしょっぴいてもらった。


 あとは銃刀法違反とか色々と余罪はあったらしいから」


 そういって安心させようとしてくれるアンゴラ氏。でもちょっとは賢しい野々野小頭である。こんなことを言った。


「実刑を受けたんでしょうか? ストーカーとか銃刀法違反とかも、そんな簡単に逮捕されますか? 家族が保釈金とか払ったりしたら……」


「色々としってるね」


 今やなんでもネットで知識なんていくらでも得れる時代である。だからってなんか知識が偏ってるような……という気がしてた面々だが、でもこの程度なら聞きかじった程度でも知ってるか――と思い直す。


「大丈夫。なにせナイフを持って家に押しかけたんだ。そんな軽い罪にはならないよ。なにせあの女は実行に移した……まあ警察には実行に移す一歩手前位な印象だが、手遅れになってたってかもしれないとは思わせられた」


「ああ、それに俺たちはそこそこ有名なんだ。こんなことがあったってチャンネルで公開したら……どうなるかってちゃんと脅しておいたからな!」


 そんなことを大川左之助は言ってのける。影響力があるYoutuberというのは厄介だな――と思いつつ乾いた笑いを上げつつもちゃんとお礼をいう野々野小頭だった。


「ありがとうございます」

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