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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
29/820

28P

(もっと丁寧に、力の配分をあわせてください。体となじませるように力を満たして、でも溢れたらダメです。そこも丁寧に)


(案外面倒だな……)


 野乃野足軽の額には汗が浮かんでる。そして手のひらの石の震えが強まっていく。けどそれは次第に弱まっていく。でも野乃野足軽にはわかってる。2つの混じり合った力がなんか定着してると。


(さあ、もういいでしょう)


 そんなアースの言葉で力を流すのはを辞める野乃野足軽。見た目的には手の中にある石に変化なんてない。見た目、ただの石だ。


「これで命が宿ったのか?」


(そうですね)


「そう……なのか?」


 野乃野足軽はそのアースの言葉に懐疑的だ。だってアクアの時はすぐに動き出したし、喋ってもきた。でもこの石からはそんなアピールがない。魂が宿ったとなったのなら、アクアと同じようになってもおかしくないと野乃野足軽は思ってる。けどそうじゃない。


(力を感じたらわかるでしょう)


「ふむ……」


 野乃野足軽は力を感じることに集中する。すると確かに何の変哲もない石に力を感じる。でもそれは野乃野足軽の力とも、自然のエネルギーとも違ったものになってる。なんか温かい? 


「これが命? 確かに宿ってるのはわかったけど……アクアとは全然違うんだけど?」


 ああいう感じに、命を与えたらなるのかと思ってた野乃野足軽である。動き出して喋って……自分の記憶を一部引き継いで既に意思を持ってる……みたいなさ。でもこの石にはたしかに魂を感じるが、動きもしないし、何も発しない。どういう違いが有るのか、野乃野足軽にはわからない。


(その子も喋ってますよ)


(え? 本当に?)


 アースの言葉にびっくりな野乃野足軽。なにせ野乃野足軽には何も聞こえてないからだ。


(ちゃんと聞こうとしてみなさい)


(ちゃんと聞こうと?)


 それを聴いて野乃野足軽は考える。これはあれか? 体の一部を力によって強化できる……とかそんなのではないだろうか? つまりは目に力を集めれば視力を、耳に力を集めれば聴力を、鼻に力を集めれば嗅覚を強化できるとかいう定番を野乃野足軽は思い浮かべた。


 まあ勿論、やったことは有る野乃野足軽である。漫画とかで観たこと有ることは大体試した事がある。でもそれらをやって感じたのは人間の体というのは、日常を過ごしやすい用にできてる……ということである。


 視力を上げたらなんか周囲がぐわんぐわんして見えて酔ったし、聴力をあげたら様々な雑音が聞こえてきて頭痛くなった。嗅覚を強化したら匂いがきつくなって吐き気がした。つまりは現状が最強ということだったのだ。


 だからちょっとためらう野乃野足軽。


(力は使い方ですよ。もっと上手く強化すれば大丈夫です。それよりも早くしたほうが良いですよ?)


(どういうことだ?)


(その子は貴方の初めての子供だと言うことです)


 男子高校生なのに、子供を産んだ? その事実に首をかしげる野乃野足軽だ。けどこの力に目覚めてから、世界は全く様相を変えたと野乃野足軽は思ってる。だからこそ、男である自分が子供を産んでもおかしくないよな……と受け入れることにした。


 けどアクアを入れたら初めてじゃなく二番目では? とも思った。


(この歳で第二子か……)

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