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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
273/834

272P

「これは……」


 いつもの廃墟に来た。いや、いつもの廃墟なんてそんな風に言うのはおかしいが、野々野足軽には最近では馴染みの廃墟なんだからしょうがない。最近よくここにきてる。それこそリアルでも、精神だけでも……である。まあ精神だけって言っても、ただ遠視と透視を駆使してるという意味である。


 まだまだそれそこ世界の裏側……とまでは野々野足軽の遠視はいかない。けど数10キロ先……までは視覚を飛ばせるくらいにはなってた。けどそれでも野々野足軽は満足なんてしてない。


 なにせアースはそれこそこの世界のありとあらぬる事をしってる。どこだってあいつは見ることが出来るからだ。まああんなチートな奴と比べても意味なんてないってことは野々野足軽だって理解してる。


 けど目標であるから仕方ない。それにやっぱり力が伸びることが実感できる事はとても嬉しいことだった。なにせ普通は自分の成長ってなかなかに見えないものだ。学力なら、それこそテストとかがあったり、肉体的な成長なら部活をやってその大会とか……そんなので見ることが出来るかもしれない。


 でもそのどれもが長いスパンではないだろうか? もしかしたら学期間ごとにある中間テストや実力テストとかを長いスパンなんて思うのは野々野足軽が単に堪え性が無いだけなのかもしれない。


 部活動の大会だって、そんなに頻繁にあるわけじゃない。それこそ半年に一回とか……練習試合とかを頻繁にやるとかなら変わるかもしれないが、どれもこれも一日二日で何かが変わる……なんて事を実感は出来ないだろう。


 けどこの『力』は違った。野々野足軽は日々の成長をこの『力』にだけは感じてた。だからこそ、毎日楽しく努力をし続けれてる。そもそもが野々野足軽の場合はそれを努力なんて思ってない。ただ楽しいから……そう思ってやってる。勉強も義務でやる運動だって別にそう楽しく思えなくなってしまってる野々野足軽だ。


 実際勉強を楽しくやってる人もいるかも知れないが、もう野々野足軽は「勉強」という単語だけでちょっとした嫌な思いを感じる様になってるほどだ。部活だってそうだ。野々野足軽は運動自体は嫌いじゃない。別に運動神経が悪いわけでもないからだ。それでも人並みではある。


 だから運動には苦手意識なんてないが、それでも部活となると、ただ楽しいだけじゃないられない。けど力の訓練は一人だけでいい。そして確実に帰ってくる。だから力を使うことは「楽しい事」に分類される。だから多少つらくても苦しくても頑張れた。


 勉強とかも「もしも」と野々野足軽はおもったりもした。


(もしも勉強とかもこの意識で望めてたら……)


 もしかしたら何かが変わってたのかもしれない。でもそうはならず、今野々野足軽は力に夢中になってる。それでよかったとも思ってる。


「これってその草陰草案さんのものなのか?」


「うん、間違いない」


 廃墟に残ってた小さなポーチ。それを見つけたのはアンゴラさんだった。その人が野々野小頭に渡して深刻そうにそれを見てた小頭の横から野々野足軽はそのポーチをちょっと手に取る。


「中身とかはちゃんとあるか? もしも強盗とかに合ってたら中身なんてなくなってるかもしれない」


「ちょっ!? おかしなこと言わないで!」


「可能性だよ。そしてそうじゃないって為にも確かめないとだろ」


 そう言ってポーチを開いて中身をまずは野々野小頭へと見せる足軽。なにせ女の子のかばんの中身なんて男が勝手に見て言い訳はないと野々野足軽は思ってるからだ。まあ実際は、中身なんてどうでも良かった。野々野足軽がやりたかったのはこのポーチに残ってる残留思念を読み取ることだ。だからこそこ小頭の手からポーチを取ったのだ。


 そして普通に野々野足軽は周囲と会話しつつ、そのポーチに残ってる残留思念をサイコメトリで読み取っていた。

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