表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
270/832

269P

「どうしたんだ?」


「お兄ちゃんには関係ないから……」


 家の玄関の扉を開いて、帰ってきた野々野足軽。そこには何やら玄関の前で制服姿のままウロウロとしてる野々野小頭がいた。足軽の言葉にとっさにイラッとした感じで返した小頭だったが、何やら彼女は考えてる。


「はあー悪かったよ」


 とりあえずそんな謝罪を口にした野々野足軽。兄はいつだって妹のはけ口になるのだと彼はわかってる。触らぬ神に祟りなし……ならぬ、触らぬ妹に祟りなしということで何か聞くことはやめようと思った。


 靴を脱いで、横を通り抜けようとする野々野足軽。そこで何か引かれるような感覚。振り返ると、制服の裾を小頭がつまんでいた。


「えっと……友達……が……」


「友達? 何かあったのか?」


 そんな野々野足軽の言葉に顔を伏せて頷く小頭。それに対して何かを察した足軽はちょっと考える。友達というワード……そこで思い出されるのは、つい先日家にいたツーントンカラーの派手な子だ。


「まさか休日に来てた?」


 再び頷く小頭。それに対して「どうしたんだ?」と足軽は言った。すると小頭の肩が震えだした。そして、ポタポタ――と雫が床に落ちた。そしてかすれるような声でこう言ってくる。


「いなく……なっちゃった……ねえ……どうしたら良いの……お兄ちゃん」


 グスッグスッ――と小頭は溢れだす涙を恥ずかしいのか止めようとしてる。けど止まらない。それはそうだろう。だって友達がいなくなってしまったんだ。そんな妹を見て、足軽は小頭の肩を強く掴んでみせる。


 するとその力強さが伝わったのか、涙を流す顔を小頭は上げた。そして足軽を見てくる。そんな妹に対して、足軽は言ってみせる。


「お兄ちゃんに任せておけ。――なっ!」


 それは野々野足軽にとっては一世一代くらいのキメ顔だった。けど冷静になったんたんだろう小頭はこんな事を言い返した。


「お兄ちゃんの癖に……」


 である。でも小頭は肩に置かれた手に自分の手を重ねて、それを受け入れてる。拒否したりしてない。それを見て「可愛くないやつ」と思う野々野足軽であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ