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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
263/834

262P

「何やってるんだ?」


「アンゴラ氏……」


「もう一人いた……ホームレス?」


 戻ってきたアンゴラ氏を見て、ツートンカラーのおさげの少女『草陰草案』は更に悪い印象を与えるようなことを言ってる。確かに彼らはおっさんで、そして男同士だし、昨日のこともあって、実はみんなそんなに身だしなみに気を使ってなんて無い。言うなれば、昨日からヒゲとか剃ってないし、昨日と服装だって変わってない。


 みんながみんな――


「まあ一日くらい良いか」


 ――という感覚だった。けどおっさんという種族に対して敏感なのがあの頃の年頃の女の子ではないだろうか? 中学生や高校生が「お父さんと洗濯物は別にして!」とか「同じお風呂のお湯になんか浸かりたくない!!」とか言うのではないだろうか? 


 だからヒゲを生やしっぱなしにしてるだけで、ホームレス疑惑を持たれたのかもしれない。


「この子達は? 子供がこんな場所にいたら危ないよ」


「それは私達を今から襲うって宣言?」


「ロリコン?」


 酷い解釈である。そんな悪いやつがまず忠告をしてくるだろうか? 悪やつなら忠告なんてせずに襲ってくるだろう。


「君たちは……高校生? 中学生かな?」


「えっ? ヤバっ」


 みかん氏の危険すぎる発言にツートンカラーの草陰草案がスカートから何かを取り出した。そしてそれをおっさんたちによく見える様に掲げた。


「これ! 鳴らしますよ! それ以上近づいたら!!」


「そんなの持ってたんだ」


「一応ね。危ないことがあるかもしれないし、それを想定したもの持って来てるわよ。家にはちゃんと今日の行動予定だって書き置きしてるし」


 良い子か――とおっさんたちは思った。見た目的にはめっちゃ今どきというか、イケイケな女子に見える草陰草案だ。そして一緒にいる野々野小頭は普通の、それこそ少女だ。


 普通に考えたら野々野小頭のほうが真面目な良い子に思える。けど、案外草陰草案も良い子だったらしい。それにちょっとほっこりするおっさんたち。いや一人だけは――


「ギャップ萌え……」


 ――とか言ってた。それを発言したのはみかん氏だ。三人はこいつその内犯罪しないよな? ってちょっと心配した。


「いやいや、まってくれ。俺たちは別に怪しい者じゃない」


「いえ、十分に怪しい集団だと思いますけど……」


 そう言われると何も言い返せなくなってしまった四人である。なにせ昨日の今日だ。何かあってはいけないと、各々がこのビルに入る前に自分が出来る対策をしてる。それが……ね。それが世間一般からみたら――異常――と思われても仕方ないものなのだ。


 猩々坊主は坊主の格好がそもそもだから良いとして、チャブ氏はとりあえず近所で買った数珠を大量に腕につけてる。そしてなんか古びた人形を腰にいくつか下げてた。推定20センチくらいの気持ち悪い人形だ。通販で買った呪いの人形らしい。得体のしれないものには得体のしれないものをぶつけるみたいな……そんな海外の呪いよけらしい。


 アンゴラ氏は自作の文字を紙に書いて胴体と背中に貼ってた。まるで学校でいじめられてる子がされる嫌がらせみたいにね……そしてミカン氏は頭に変な……そうなんか丸い突起物をつけてた。それで怪電波から身を守るらしい。


 これで怪しくない? そんなの当然、草陰草案も、野々野小頭も信じることなんてできなかった。

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