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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
254/831

253P

「な……なんっ――っ!?」


 再び、一瞬の閃光が走る。そして彼の……色々と呪術的な知識が豊富なアンゴラ氏の横の壁が引き裂かれた。


「ひっ、ひいいいいい!?」


「これは……防いでるのかアンゴラ氏!!」


「え? ええ?」


 アンゴラ氏は何が何だかわかってない。けど何かから攻撃をされてるのは確かで……そしてその攻撃は確実にアンゴラ氏を狙ってる。本当ならチャブ氏の傷のように、彼も引き裂かれててもおかしくない。けど何かが……そうアンゴラ氏を守るように何かが展開してるのか、それが何かの攻撃から彼、アンゴラ氏を守ってた。


 いや、そう猩々坊主は判断した。


「アンゴラ氏の背後に回れ!!」


 どうやら自身の展開してた結界が無意味だと判断した猩々坊主はプライドなんて何のその、すぐに投げ捨てて何かで攻撃を防いでるアンゴラ氏の背後に回ることを提案する。それによって皆で一斉にアンゴラ氏の背後に……扉に寄ってた彼を盾にするように、押し出してみんなで背後に回ってた。


「おい、お前ら!!」


 もちろんアンゴラ氏は危険なまえになんて行きたくない。だからそんな風に抵抗するが、他三人に背中を押されては分が悪かった。それに……だ。


「凄い! アンゴラ氏凄い!!」


「あんたの力は本物だよ!! 良い歳して痛い奴だなんて思ってて悪かった!! あんたの力は本物だ!!」


「某では役不足。今は、其方しか頼れん」


 そんな風に三者から言われてたしまったら……「ふ、ふーん。俺ってすごい?」――とか簡単に調子に乗ってしまう奴だった。もちろんここで前になんて出たくない三人は「「「凄い凄い!!」」」と言い連なる。


 そんなとき、再びバリリ――と何かがぶつかってきて、今度は天井に傷ができた。


 でもこれで三回目だ。三回も、何かの攻撃を防いで見せた。それは彼、アンゴラ氏に自信をつけるのは十分だった。実際彼は自分が何をしてるのか……てか何が原因で攻撃を防げてるのか……全く持ってわかっていない。


 けど、事実攻撃は防いでる。彼は常々思ってた。


『俺は特別なんだ……そうでありたい』


 ――と。実際は大人になって特別なんてどこかに置き忘れてきたようなおっさんに近い年齢になってきた。そんなときに出会った仲間たち。実際、楽しいのは事実だが、アンゴラ氏は馬鹿にしてたところもあった。


 好きなことを話せるグループではあるが、それぞれの力の自慢とか、不思議体験談とか、本当に信じてたわけじゃない。そして彼は自身が言い張ってた力だって自分で信じてたわけじゃない。彼らと話を合わせるために、作り上げたものなんだ。でも今……確かに彼は何かの攻撃を防いでる。


「俺の背後に! 俺が……俺が何とかして見せる!!」


 そんな風に懐に手を入れつつ、仲間を背中に格好いいことを言ってみたアンゴラ氏。それは人生で一度はやってみたいシチュエーションで、彼は今自分がこの世界の主人公になったと本気で思ってた。

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