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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
251/827

250P

シャリン!!


 そんな音をいつもよりも強く鳴らす坊主。その音が案外大きく……いやもしかしたらそんなに大きくなかったのかもしれないが、緊張してた彼らには案外大きく聞こえた。そしてその音の衝撃に飲み込まれてた精神が三人の元に戻ってきた。


 ようは大きな音を出してびっくりさせることで「はっ」とした――ということだ。


「走れ!!」


 そういって猩々坊主が走り出し、それに続いて三人も走り出した。猩々坊主は何やらお経みたいなのを唱えながら、腰のところにぶら下がってた何かをブチっととる。そしてそれを手でゴリゴリしながら頭にふりかけてる。


 そして十分と判断したのか、それをさらに追いかけてきてる人たちに渡す。お経を唱えてる猩々坊主は今話せない。けど受け取った人はさっきの猩々坊主のやってたのを見てたから、何が何だかわかんないが、一応同じようにする。


「はあはあ……っはぁ!」


「へはぁっへはぁっぁぁ」


 まだ100メートルも進んでないだろうに、既にヘトヘトになってる大人たち。猩々坊主は全然元気だが、それ以外はやばそうだった。一応なんとかその謎のゴリゴリする物体は回せた。みんなの頭にはゴリゴリしたカスが乗ってた。


「も……もう……っめ」


 そういってデブ……ではないが見事なビールっ腹の人が遅れだす。でもその人を助けられるような人は猩々坊主だけだが、彼は前を見つつお経を唱えてるから気づいてない。


 どんどんと遅れだしたビールっ腹の人の足の動きが止まりつつある。けどその時だ。


「「「ニャーーー」」」


「ひっ!?」


 暗闇に光、無数の目、目、目。それに……だ。猫の目の中に明らかに何かが混じってる。それは猫に擬態するように「にゃー」と言ってるが、その声はどこか震えてて、そして低く、さらに言うと野太い。


「ひぃ!? あがあああああ!!」


 遅れだしたビールっ腹の男はどこからか気力を絞り出したらしい。顔中から汚い汁を飛ばしながらも、必死に足を動かした。それに彼だけじゃない。


 運動不足が祟ってる大人たちは四分の三が限界が近い。実際あの何かに恐怖を感じて、限界から絞り出してるのが今の三人である。限界から絞り出してるからそんなに長く持つわけはない。


「こっちだ!」


 そういって先に行ってた猩々坊主がブルーシートで覆われた工事現場みたいなところに入って手招きをしてた。そこに三人は転がるように飛び込んだ。

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