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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
199/822

198P

山田奏が停学処分になった。その衝撃はもちろんだけど、野々野足軽が通う学校ではかなりのセンセーショナルな話題としていっきに広まった。なにせ山田奏は格好いいだけじゃない。バスケ部の主将を努め、成績は優秀、教師の手伝いだって積極的にやって、内申点だってとてもいいだろう。優等生……というか、きっと理想の学生はだれかと聞かれると高確率で「山田奏」みたいなやつ……といわれるほどの理想の生徒、学生だったのだ。


 そんな山田奏が暴力沙汰で停学をくらった……それは誰しもが全く予想してなかったことだ。けれども、それで山田奏を否定してるものがいるかというと……まあいないわけでもないが、大抵は悪い印象は持たれてない。なにせある程度の事情はあの場にいた者たちによって伝えられていたからだ。


 その事情をしったら誰もが――


『仕方なかった』


 ――と思った。むしろ、男としては株を上げてたりもしてる。女性は完全に真面目でいい人よりも、ちょっと悪いって人を好んだりする傾向があったりするだろう。不良といわれてる奴に彼女が絶えずいたり……なので今回のことで、もともと人気だった山田奏に実はちょっと悪が追加されて、さらには自分の立場なんかよりも女性を優先して守るというナイト気質なのも周知の事実になった。これによってさらに山田奏の人気はうなぎ登りである。


 けどどうやら当の本人……山田奏はそんな安易に今回のことを考えてないらしい。


((どうしてこんなことに……))


 ――と、山田奏と共に、野々野足軽も思ってた。なぜなら、今野々野足軽は山田奏の自宅へと招かれていた。山田奏の自宅は大きな邸宅といって差し支えない立派なところだった。確かに野々野足軽はこれまでの山田奏の情報として、山田奏が上流階級の人間だとは知ってた。けどここまで見せつけられたら、どうして平賀式部は野々野足軽を選んだのだろうと、不思議に思うほどだった。洋風というよりは和風の建物の山田奏の実家は大きな平屋建てで、都会ではありえないくらいの面積を確保してるみたいだった。


 ちょっと力を使って建物全体をスキャンした野々野足軽はこの建物にいる人の多さに驚いてたりしてた。普通はそれこそ一つの家にいるとなれば、一軒家なら家族がいるとして最低三人くらいで、おじいさん、おばあさんとか兄弟、姉妹を考えたとしても、六人とかそんな感じだと思う。両手の内には収まるだろう。


 けどここはそんな常識は通じない場所らしい。それこそ沢山の人がいるし、さらには出たり入った、ひっきりなしに人の出入りがあるのも分かった。


 そんな場所になぜに友達? かも怪しい知り合いというか後輩という立場でしかない野々野足軽がいるかというと、そこにはいろいろな偶然があった。


「大変でしたね」


 とりあえずそんな労いの言葉を野々野足軽はかける。すると山田奏は「ははっ」と力なくわらってこういった。


「情けないよ。本当に……」


「けど、聞いた話だけですけど、先輩は悪くないと思いますよ」


 気を使ってそういう野々野足軽。それに「ありがとう」と返しはするものの、山田奏は落ち込んでる。確かに本人にとっては暴力沙汰を起こして停学なんて不名誉なことだろう。それに家から察するに、山田奏は名家のおぼっちゃだ。世間体とか気にしてておかしくない。


(ここまで落ち込んでるってことは、親とかに何か言われたのかな?)


 とか察する野々野足軽である。

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[気になる点] 山田くんサッカー部のキャプテンじゃなかったっけ?人違い?
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