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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
197/822

196P

「まず、聞きたいんだけど、何を目的にしてるんだこれ?」


 いろいろと野々野足軽はもちろんだけど、疑問はある。でもやっぱり一番大切なものって、どんな目標、目的で集まってるのかってことだ。


 桶狭間忠国の言葉を信じるのなら、この『秘密結社』なる組織? グループ? には50人近くの人数がいるらしい。それだって野々野足軽は半信半疑だが、そこは置いておこう。とにかく50人もいるグループとなると、なかなかに大所帯だ。それに……なにやらとても彼らは活発的なのだ。みんなが皆、それこそただこの中でダベるだけ……なら別に全然問題ないだろう。どこにも迷惑なんてかけない。ただネット上でしゃべるだけなら、野々野足軽がただただ無視していればいいと思ってた。


 けど、このグループは何かをやってるのだ。今だって、ピロリンという音ともとに『クラブで踊りまーす』とかいう訳わかんない投稿があった。


 彼らはいったい何を目指してるのか……まったく野々野足軽には理解できない。


「それは明白です。全ては貴方のためです」


「はあ……」


 なんか膝をついて頭を垂れる桶狭間忠国。まさに仰々しく……という言葉が似あう雰囲気を醸し出してる。けど野々野足軽の反応はたんぱくだ。なにせそんな説明では訳が分からないからだ。てか説明になってない。


「そんなこと、俺が頼んだか?」


「ぐっ……」


 膝をついて頭を垂れてる桶狭間忠国が震えだす。野々野足軽はなんかはぐらかされてる気がして、イライラとしてるようだ。その気持ちが、力――へと乗ってる。そして、その力が桶狭間忠国にまとわりついて、それを目ざとく感じることができる桶狭間忠国は汗を流して、息も荒くなってた。


「はあはあ……」


 その顔には恐れがある。けど……それだけじゃない。なにやら恍惚とした表情をしてるような……と野々野足軽は思った。すると桶狭間忠国は口を開く。


「ああ、至らない自分めに罰を与えてくださるのですね」


「え?」


「どうやら自分は至らなかったみたいです。ならば! ならばさあ罰を与えてください!!」


「いや、そんなことよりも、もっと具体的に……」


「さあ!!」


 せっかく説明をしてくれたらそんな罰とか実際どうでもいいと思ってる野々野足軽に、顔をバッとあげた桶狭間忠国はその濃ゆい顔を見せつけて懇願してくる。


 その勢いはなかなかにすごい。桶狭間忠国はその場から一歩だって動いてない――筈なのに、まるでその圧が迫ってくるようだと野々野足軽は感じてた。


 そしてそれは野々野足軽がちょっと引き気味なのも関係あるだろう。さっきまでイライラが前に出てたが、今この時、目の前の桶狭間忠国がとても気持ち悪い存在に野々野足軽には見えてて、ちょっと引いてる。


 だって嬉々として罰を求めてるようにしか野々野足軽には見えないからだ。


「はあ……」


 一体どうするのが正解か、野々野足軽は考える。自分とそして桶狭間忠国の関係をどうしていきたいのか? そして辿り着いたのは対等ではない、上下がしっかりとしてる関係だ。なら……ならばやるしかないだろう。


 引き気味だった顔を整えて、とりあえずゴミを見るように桶狭間忠国をみる。そして言った。


「なに、調子乗ってるんだ? 貴様は指図する立場じゃない」


「ぐほっ!? あががが……」


 何をやったのかといえば、野々野足軽は桶狭間忠国を地面に押し付けた。もちろん触れてなんてなんかない。ただ見つめただけで、桶狭間忠国は地面に……というか、床にその巨体をカエルのようにへばりつかせてる。


 なにやら体のいたるところからパキやら、ポキやらとか聞こえてるが、きっとこれを終えた後は体中がスッキリとしてることだろう――と野々野足軽は思ってた。

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