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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
181/816

180P

力を使って野々野足軽は自分をずっと尾行してる桶狭間忠国に気づいた。


(さて……どうするか)


 そう考えるが、実際できることなんてほとんどない。下手に動いてしまうと、桶狭間忠国に疑われる可能性もある。なにせ桶狭間忠国は色々と犯罪まがいのことが上手い。それこそ尾行とかもそうだし、その巨体を感じさせないように存在感すら操れるみたいだ。


 それこそ野々野足軽と同じように「力」を持ってるのでは? とか思ったりもするが、実際野々野足軽が気付いてることには気付いてないような感じだ。だからきっと桶狭間忠国のそれはその肉体を得る過程で得た技術なんだろうって野々野足軽は感じてる。


 ここで野々野足軽がもしもいきなり走り出したりすると、野々野足軽が気付いてることに気づかれる。


(疑われることをしたくないんだよな)


(簡単な方法があります)


(一応聞いてやるよ)


(頭に音を叩き込んで昏倒させます)


「はあ……」


 アースの提案に思わず深いため息を吐く野々野足軽だ。失望にも似た感情。それが湧き出てきてる。


(それは最終手段だ。それに気軽にそれを使ってると、流石に俺に何かされてるって桶狭間なら気づくだろ)


 なにせ桶狭間忠国という存在は現代においておかしいと……と野々野足軽は思ってる。この平和な日本という国で、あの桶狭間忠国という男は何と戦ってるのか? というくらいに鍛えてる。現実離れした力を追い求めてるのかどうか知らないが……桶狭間忠国は野々野足軽の中では頭おかしい奴と認識されてる。


 通学路を歩く……その後ろから身長190くらいの大男がコソコソとついてくる。その姿は目立つはずだ。それに尾行といえば、電柱の影から影へと伝っていくとかいうイメージかもしれない。


 けどどうやら桶狭間忠国はそんなことはしてない。あくまでも自然に歩いてる。でも歩き方が普通なだけで、その足音は一切しないし、その存在感も極限まで薄まってる。


どうやらあくまで普通にしつつ、もしも野々野足軽が振り向いたりしたら−−


(なるほど、上手いな)


 −−その時に素早く姿を隠す……ということをするらしい。あれだけの巨体だ。縦にも横にも桶狭間忠国はある。けどそれでも完璧に野々野足軽の視界から消えてる。その手際……野々野足軽に力がなかったら本当に気づくことは出来なかっただろうというほどの手際だった。だからこそ、こいつにだけは「力」を勘づかれたくない……って野々野足軽は思った。

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