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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
180/822

179P

野々野足軽は登校してる。それはこの春から通い出した通学路であり、まだまたかって知ったる−−とまではいえないほどの通学路。この春にはまさかこんなに早く、野々野足軽は自分に彼女ができるなんて思ってなかった。


(欲しかったけど……)


 それがこの学校一とまで言われるほどの美少女なんて想像なんてしてなかった。実際、いまだに野々野足軽はなんで平賀式部が野々野足軽と付き合ってるのかわかってない。


「好きだから」


 −−と単純に思えるほどに野々野足軽は楽天家ではなかった。この青い空のように澄み渡る心をしてるわけでもない。勉強だって運動だって、別に飛び抜けてるところなんてのは何もない。クラスの中では平均で、平均過ぎて小学生でも、中学生でも、きっと「こんな奴いたっけ?」と同窓会とかの時に言われる奴である。


 むしろ招待状とか届かなかったりするやつだ−−と野々野足軽は思ってた。


(気づいてますか?)


(まあ……ね)


 登校中、気分良く学校への道を歩いてると、アースが何か言ってきた。朝の空気は気持ちよく、更には今日は快晴。それに可愛い彼女とのデートまで決まってる野々野足軽は色々と不安もあるが、概ね幸せな部類だろう。


 このまま合流地点まで行って平賀式部と一緒に登校……そうやって一日が始まるはず。実際野々野足軽はこう言う事を覚悟してる。なにせ平賀式部は美少女だ。沢山の人たちに狙われてた。


 それは格好いい先輩から、筋骨隆々の同級生までだ。そしてそれ以外だって沢山いただろう。だから平賀式部と付き合うことになってから、注意するようになってた。いきなり刺される……なんて流石に思ってないが、それでも便利な力があるんだから使わないなんて選択肢はない。力を薄く自身を中心に広げることで、周囲のことを普通の人以上に知ることができるのだ。


(そこまで詳しくはわかんないが……でも薄く存在感がわかるんだよね)


 それのおかげで実は家からずっとつけてきてる存在には気づいてた。それに……だ。この使い方にはとても便利な機能があった。


(やっぱり桶狭間忠国か……)


 野々野足軽は普通に歩いてるだけだ。振り返ってもいない。それなのに個人を特定してる。それにはもちろん野々野足軽が力を上手く使ってると言うことだ。でも本当の所は、ちょっとした気づきだった。それは何か……人にはそれぞれ個性がある。それで考えてみてほしい。一体野々野足軽は周囲に広げた力で何を感じているのか。


 それを野々野足軽は存在感だと表現してるが、人によってはそれはオーラとかいうかもしれない。それか生命力……でもいいのかもしれない。


 もちろん普通の人はそんなの認識せずに生きてるだろう。でも野々野足軽は自身の力を介することで、それを感じることができるようになってしまった。そして気づいたのだ。その人から放たれてる存在感というか生命力にはそれぞれ違いがあると。そしてそれに力が触れると、瞬間的に「あっ、これってあいつだ」というのが野々野足軽の脳裏には浮かんでくるのだ。

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