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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
178/819

177P

平賀式部と朝の何気ない会話をして通話をして、それで「また学校で」という締めの言葉とともに、野乃野足軽は電話を切った。 通話を切ったあともしばらくスマホの画面を見てる野乃野足軽。その画面には平賀式部がデカデカと専有してる。


 まえはそれこそ恥ずかしくて好きな子を待機画面にするなんて出来なかった野乃野足軽だが、今や彼氏彼女の関係だ。なら遠慮なんて必要ないだろうと、とっておきの一枚をスマホの画面にしてた。それは平賀式部が学校の机で寝てる場面だ。


 ほぼ盗撮みたいなものだったが、これは野乃野足軽のお気に入りの一枚だった。けどそんなことはどうでもいい。


「おい」


 短くそんな風に言葉を発する野乃野足軽。けど反応するやつはいない。頭の中にも。


「なんか、デートの話しとかあったんだが? しかもなんか話題のデザート店めぐりみたいな感じになってんぞ。おい」


 そんな風に語りかけてもアースは反応なんてしない。もちろんだが、野乃野足軽は電話の中で平賀式部がその話を楽しそうにしてるときにその「予定」を初めて知った。本人が知らない予定とはこれいかに? とか思った野乃野足軽だが、楽しそうに言ってる平賀式部に流石に「知らない」なんて言えなかった。


 それに実際、ちゃんと平賀式部的には野乃野足軽と話し合って決めたことだろう。なにせ野乃野足軽は覚えてなんて無いが、アースが野乃野足軽の体を操ってなりすましていたのだ。それならば、知らないなんて言ったら、平賀式部はショックを受けるだろうと野乃野足軽は思った。


「はあ……もういいよ。とりあえずデートは行きたいし」


 なにせ野乃野足軽がそのまま野乃野足軽のままではデートに誘えたかわからない。なのでちょっとありがたくは有る。そもそもが野乃野足軽ではデザートめぐりとか発想が出ない。定番の映画とかショッピングとか……でもショッピングといっても、学生ではそんなに予算なんてない。バイトだって野乃野足軽はしてないから、お小遣いしかないのだ。


 でもそんなに物欲がない野乃野足軽はそこそこ貯金が有る。だけど平賀式部と野乃野足軽はそもそもが生活水準が合ってないと思われる。なにせ平賀式部は裕福な家のお嬢様だ。それに対して野乃野足軽は庶民だ。だからもしもショッピングとかに行ったらお金の価値観が違うかもしれない。それはちょっと恥ずかしいかも……とか野乃野足軽は思った。


 流石にそこまで平賀式部に常識がない……なんて思ってないが、むしろお金がないとかケチな彼氏とか思われるのが嫌なのだ。でもデザート店なら、まだ安心できる……と野乃野足軽は思った。


 そこだけはアースに――


「よくやった」


――と言ってもいいかなと思ってる。

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