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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
170/821

169P

平賀式部が魅せた笑顔。それを教室の外から見てた人物がいた。それは沢山いたが、その中でも一番衝撃を受けてたのはこんなことになった原因になった存在、山田奏その人だ。


「ああ、やっぱり」


 山田奏はそんな事を呟いていた。それを近くにいた男子生徒が聴いてた。もちろん彼も山田奏のことも平賀式部のことも知ってるし、そして関係性だって……むしろこの学校の生徒で二人の関係性を知らない生徒……いや関係者はいないだろう。生徒だってそうだし、教師だってそうだ。


 なにせ二人はとても目立つ。そして最近はとても話題になってた。だからその生徒は山田奏が「ああ、やっぱり」と言った時の顔に違和感があった。だってそうだろう。普通、アタックしてた女の子が別の男と付き合いだし、それを見たらどういう感情になるだろうか? ということだ。その男子生徒は思った。


(絶対に自分ならこんな顔できないし、見てられないはずだ)


 −−と。それはきっと誰もがそうだろう。自分がアタックしてた人が別の人に取られて、目の前でラブラブされてて、それで正気を保ってられるだろうか? そんなのは無理だろう。もしもその光景を見てもなんとも思わないのなら、それって実際はそんなに好きじゃなかった……ということの方が可能性が高い。


 そして山田奏ももしかしたら……とその男子生徒が思うような顔をしてた。それこそ爽やかなイケメンな顔はそのままだ。もしかしたらイケメンの顔が醜く嫉妬に狂う……ような顔が観れるかも……とか思ってたやつもいるだろう。


 山田奏は基本的に好かれてはいる。でもだからって誰だって黒い部分はあるだろう。友達だとしても、ちょっとだけ意地悪したくなる気持ちが無くならないように、イケメンである山田奏がそこらのなんの変哲もないやつに思ってた女性を持っていかれたんだ。


「ザマァ」


 と誰もが思ってないわけはない。なにせ山田奏はイケメンでさわやかで細マッチョでさらに成績だっていい。そしてさらにいうなら、家柄だっていい。山田奏が裕福だってのは親しい人しか知らないが、でもそういうのって漂ってしまうものである。なにせ持ってるものとか、普段使う金額とか……貧乏ならそれこそ学校に購買があったとしてもそこで頻繁に買い物をする……なんてしないだろう。いつだって財布の中身……いや今の時代ならそれこそスマホの中身を気にするだろう。電子マネーだからね。


 でも山田奏はそんなの気にしない。それによく誰かに奢ったりしてる。でもだからってカモられてるわけじゃない。


人間関係のために彼はそれをやってるのだ。そんな「良いやつ」を体現してるかのような山田奏だが、全ての人に好かれるわけじゃないし、良い人だと思ってたとしても、そんな良い人がダメだったりしたら「ハハッ」と思ったりするのが人の闇だろう。


 でも山田奏はそんな他人の闇さえも笑ってるかのように、野々野足軽と平賀式部の様子を見て、微笑んでた。それでも愛おしそうに……だ。

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