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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
159/816

158P

「どうしたら……いい?」


 野乃野足軽は一人だけの保健室でそんな風に呟いた。別に保健医に言ってるわけじゃない。野乃野足軽はここに一人だけ。だからそれは野乃野足軽の中に向けた言葉だ。


 野乃野足軽は衝撃の事実を知らされた。それも中にいるアースに……今までの平賀式部の行動……それが全て野乃野足軽が良かれと思ってやったことの影響だったと……いや、まだ可能性の一つだが。


 けど、そんな可能性がある……ってだけで野乃野足軽はショックだ。だってもしもそうなら、自分は最低なやつじゃないか? と思ってしまうからだ。


(真実を知るのは無理ですね。なにせどれだけ影響を受けてたのかはわかりようがないですし……)


(そうだよな……)


(けど……本心を知る方法はあります)


 その言葉にガタッと音を立てて保健室の簡易的な椅子を鳴らす野乃野足軽。大きな音を立ててしまったことで平賀式部が起きてないかと不安になったが、どうやらその心配は無いらしい。


 ホッとした野乃野足軽はアースに棘の付いた言葉を返す。


「どうやってだよそれ……」


(不安なんでしょう? ならば確かめて見たらいいじゃないですか。貴方の不安は彼女の心をその力で捻じ曲げてしまったかどうか……でしょう? 心を覗いてみて、確かめて見たら良いのです。本当に『好き』がその女性の中にあるか。


 私には愛やら恋やらはわかりませんが、それが確実な方法だと思います)


(でもそれって、今やっても意味なくないか? いや、そんな平賀さんの心を勝手に覗くなんてしないが……今やったとしても、俺の力の影響じゃん……)


(今の貴方のサイコメトリーでも数日くらいは遡れるでしょう。それなら今日以前の記憶を覗けばいいではないですか)


(いや……だめだ……そんな……)


 確かに野乃野足軽は自分がいけないことをやってしまった……と思ってる。それに自分が力を使ったことで、平賀式部に思ってもない行動をさせてしまった可能性もあることに責任だって感じてる。


 だからこそ、確かめる事が大切ってアースの意見だってわかってる野乃野足軽だ。でもだからってそこでまた平賀式部の記憶を勝手に覗いたりしたら……それは……


(それは更に平賀さんにとって失礼だろ)


 彼女にたいして、更に罪を重ねることになる。それだけは野乃野足軽はしたくなかった。思ってもないこと……ただ思いやりで野乃野足軽は平賀式部に力を使った。でもそれがこうなってしまった。彼女の意思を捻じ曲げて、変な行動を取らせてしまったかもしれない……だから野乃野足軽は思ってる。


(俺は……なんて事をしてしまったんだ)


 彼氏彼女の関係に憧れてたりしてたはずだし……夢にまで見た状況に今は野乃野足軽はいる。でもそれを全く喜べない現状が今だった。

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