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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
158/822

157P

(どういう事だ?)


 野乃野足軽は恐る恐るという感じでアースに聞く。ここまでで実際野乃野足軽はこの一連の出来事が自分のせい? とか思って、心臓バクバクしてた。これは野乃野足軽が平賀式部から告白された以上の鼓動だ。


 実際はどっちが……なんていえないのかもしれない。どっちも質が違う鼓動だからだ。前者は冷や汗が出るような鼓動の種類で、後者は純粋な興奮で来る鼓動の上がりようだから。


 それに……だ。アースの言うように、もしもこの昼休みの平賀式部の行動が野乃野足軽のせい……だとしたら、それは好きとかいうあの告白だって全然間違った事……という可能性が出てくる。


 好きという感情を歪ませて……本当は全然嫌いとか……流石に今までの事があるから野乃野足軽も平賀式部に嫌われてる……とは思ってないが、それでももしも今回の一見で思ってないくせに告白なんてしちゃったんだとしたら――


「野乃野君なんて好きじゃないんだからね!!」


 ――とか言われるかもしれないとか野乃野足軽は思ってる。それか――


「やっぱり付き合うとかは無しで」


 ――かもしれない。


(そこは変わらないと思いますけど……とりあえず幸福を感じさせましたよね)


(ああ、自分の幸福感を平賀さんには感じさせて見たけど……あれは上手く言ったかもわかんないぞ)


 平賀式部はここ最近、とてもストレスを貯めていた。なにせ色々と注目されてたからだ。もちろん彼女はその容姿で何時だって注目をされてる。けどそれでも今までは無視できるレベルだったんだろう。でも今は違う。積極的に女子からは嫌がらせを受けるし、面倒な相手(山田奏)が連日訪れる。それによって彼女のストレスは溜まっていく一方だった。


 だから野乃野足軽は気を使って少しでもそのストレスがなくなれば……ということで、平賀式部を睡眠へと誘導して、そして自分の幸福感を平賀式部にも感じさせるようにその力を使ってみた。


(余計な事だったってことか?)


(いえ、上手く言ったんだと思います。ちゃんと彼女は幸福を感じてる。でもきっと幸せだったから、夢が抜けきらなかったのかもしれません)


(夢が抜けきらない……じゃあ、もしかしてさっきまでは平賀さんは夢見心地だったって事か?)


(そうかもしれない……ということです)


 アースの言うそれは、たしかに可能性の一つかもしれない。でも、野乃野足軽はその言葉を驚くほどにすんなりと納得できた。だってあまりにもいつもの平賀式部とは違う行動だった。


 それこそ夢を見てないと、あんなことしないだろうって……


「そんな……俺……」


 野乃野足軽は平賀式部の顔を見ながら、その唇をかみしめてる。

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