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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
15/818

14P

(ここは……)


 なにが起きたのか……野乃野足軽はわかってない。だから一つ一つ思い出そうとする。なんか不思議な空間に今、野乃野足軽はいる。まるで宇宙かのような……真っ暗で周囲に光がある。そして野乃野足軽はふわふわと浮いてた。だからこそ宇宙だと思ったわけだけど……さっきまでのことを思い出していくと、一つの結論にたどり着く。


「もしかして、俺、死んだ?」


 思い出したらそんな気がしてきた。だって溺れたし……あの苦しさも同時に思い出されてくる。思わず喉を手で掴んでみて、自分はちゃんと息をしてるのか……それを確認する野乃野足軽。


「できてる……けど、これがあの世とも限らないしな」


 あの世がどんな所なんてのは野乃野足軽も知らないが、ここがそうじゃないとは言えない。なにせあの苦しさは本物で、いつの間にか彼はこんな場所へといる。どう考えても異常事態だ。それにそもそもがこの宇宙空間みたいな場所で息できてるもおかしい。だからこそ、もう自分には肉体が無いのでは? と思ってた。


(危ないところでした)


「お前はさっきの!」


 なんかこの宇宙空間みたいな場所にさっき野乃野足軽を窒息死させた存在が現れた。勿論野乃野足軽は警戒する。まさかこんなところまで来るなんて……って感じだ。


(落ち着いてください。ようやく言葉が伝わるようですし、話し合いましょう)


「さっきだってこっちは話そうとしてたよ。それをお前は……」


 野乃野足軽のその言葉は最もなものだ。いきなりあんな最小の力で最大の殺し方? いや最適な殺し方をされたら、警戒するなという方が難しい。寧ろこれで簡単に野乃野足軽が「あっ、そうだったんだ」とか言ったら、どれだけ脳内お花畑なのかと言うことになる。


(あれは貴方がパニックになるから。死ぬのは想定外です)


「え? やっぱり俺、死んだの?」


 衝撃の事実にショックを受ける野乃野足軽。まあけど、死んだと言われてショックを受けないやつなんて居ないだろう。たしかに野乃野足軽は死んだかもしれない――とは思ってた。けどこうやって他のやつからそんなふうに聞かされるとショックというか……確定されたみたいで悲しいやらだ。


 なにせ野乃野足軽は今が人生で一番楽しかったまである。だって今まではぱっとしない人生だった。別に不満があったわけじゃないが、今は毎日が刺激的で、そして可能性ってやつが無限大に見えてたんだ。


 野乃野足軽はそれまでは自分の将来ってやつがある程度見えてた。まだまだ高校生なんだから――と大人は言うかもしれないが、このくらいの年になると、自分が特別ではないと……そして社会の仕組みなんてのもわかってるだろう。


 だから高校生なんてのは大人が思ってるよりも現実的なんだ。それは野乃野足軽もそうで、このままなら、適当な大学に進学して、そして適当なブラックじゃない企業に就職して、そして無難を人生を選択するってのは野乃野足軽自身が一番わかってる。なにせ自分自身のことだからだ。けど、ここ最近は違ってた。もっと違う未来……いや今までとは全く違う世界が見えてた。


 魔法とかそれこそ意味不明な力なんてのは結局物語の中の空想上の産物でだけでしか無い――そう思ってた力が実際にあったことを野乃野足軽は実感できた。だからこそ、この普通の人生に刺激が出来た。


 これからはきっと違う毎日が続いていくんだと思ってた。でもそんな矢先に死んだなんて……残念でならない。そしてその原因が目の前にいるんだ。恨みが溢れ出すのも当然というものかもしれない。


(ええっとですねそれは……)


「お前が……俺を……ようやく、これからだって思ってたのに……これからきっと色んな事ができたと思ったのに……」


(おおお落ち着きなさい。話を聴いて……)


 野乃野足軽の体からはなにやら青白い光が沸き立っていた。髪の毛が逆だってそしてその瞳が光ってる。


「お前が! 俺を!!」


 その瞬間、体から湧き出た光が周囲に放たれる。

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