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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
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145P

山田奏は積極的になってる。それが極まってるせいで、最近は学校では平賀式部と野乃野足軽は弁当を一緒に食べる……ということもできない。そして、そのせいでとても平賀式部は機嫌が悪くなってる。明らかに彼女は不愉快です――という雰囲気を出してる。


 いつもは平賀式部は教室の華だ。別に喋ったりしないが、いるだけで教室を華やかにしてくれる……そんな花。けどここ最近は違う。明らかに教室の活気が彼女の機嫌で低下してる。


 それこそ、陽キャ達も不機嫌な彼女に遠慮してなのか、彼女がいる時はペラペラと喋る……ということをしない。わざわざ廊下に出て、ちょっと自販機がある所までいってそこをたまり場にして時間をつぶす……とか言うことをしてる。


(まさか、山田先輩がここまで動いてくるとはな……)


 野乃野足軽はそう思ってる。あのスマホを新調した日の次の日から、山田奏はこの教室にまで来るようになった。学校では平賀式部には逃げ場がない。なにせ学校はそこそこ広いとは言っても、そこら中に生徒はいるわけで、大人気な山田奏がちょっと呟けば、個人情報なにそれ? 的に情報が集まってくるのである。


 確かに学校にも人気のない場所……と言うのはある。けど、どうあっても教室には一目があるし、人気のない場所へと行く道中だってひと目はある。それこそ野乃野足軽のようなただの一般人モブのような奴なら「あいつ? どこ行ったっけ?」とかなるかもしれない。


 でも平賀式部ではそんなことはありえないらしい。なにせ彼女は人目を引く容姿をしてる。それだけ整ってる。皆同じような制服に身を包んでる学校でもそれは変わらないし、むしろ全員同じような格好してるせいで、彼女はより他者との違いってやつが引き出されてる……と言ってもいいのかも知れない。


 本当ならそれは喜ばしいことだろう。だって容姿が良くて悪いことなんてない。いや、あるかもしれないが、世間一般的にはブサイクよりもいいだろう。でもどうやら平賀式部はそれがおきに召してないらしい。


 


(どうにかしてあげたいけど……)


 でも大っぴらに教室で野乃野足軽が平賀式部に声を掛ける……なんてことはできない。不意に喋る……って事はあるが、それは机から消しゴムを落として拾ってもらった時……とかである。


 だからこそ、昼休みの時の二人っきりの時間は大切だった。それは野乃野足軽にとってもだが、平賀式部にとっても……だ。けど今はそうはいかない。前の様に、誰にも気づかれずにやればいいじゃないか……と思うかもしれないが、今や監視の目がそこら中にあるのだ。確実に山田奏が人目がない場所に行く前に平賀式部を捕まえる。


 どうしてそれに他の生徒が協力するのか……男子はそこまで深く考えていない奴らばかりかもしれない。けど女子は大人気な山田奏の事で平賀式部の事を嫌ってる奴は多い。なのに……そういう場をセッティングすることに協力的なのはおかしい……とおもうかもしれないが、すこしでも山田奏と繋がりたい……そしてあわよくば認知されたい……という思いがどうやら強いらしい。


 それはこの間の野乃野足軽と行ったカフェでの出来事も関係ある。どうやらあそこで一度も話したことも無いような女生徒の事も山田奏は知ってた。それのせいで、「もしかしたら私も……」とかおもう女生徒が点数稼ぎに動いてると言う訳だ。


 そういうわけで、野乃野足軽と全然一緒に過ごすことが出来てない平賀式部はそろそろもう一発、どこかで山田奏を懲らしめてやりたい……と考えてそうな顔をしてる。

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