表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
14/816

13P

「アクアなのか?」


 しばらく見つめ合って……まあその女性の形をしてるお湯は目なんて無いんだけど、野乃野足軽はなんとなくだけど目があってる気がしてた。そして現れたにしては何もしない、むしろなんか言いたそうに見つめてるその存在になくしたアクアを思ったんだ。


 てか、こんな水が意思を持って動いてるのを見ると、アクアと捉えるのが普通だろう。だって他にこんな存在を野乃野足軽はしらない。そんなことを思ってると、その存在はブワッと広がった。そして全体を使って野乃野足軽を包み込もうとしてくる。


「うわ!?」


 思わず力を発動させる野乃野足軽。念力を使って、引き伸ばされたお湯を静止させる。けど……向こうもなんとか動かそうとしてるのがわかる。


「くっ」


 少しずつだけど、押されてる野乃野足軽。このままじゃ押し負けると思った野乃野足軽はなんとか会話に望みをかける。


「アクアじゃないのか? なら一体何なんだ? 別に俺は敵対する気なんてない!」


 そんな事を必死に伝える。勿論、その言葉が伝わってるかなんてわかんないが、こういう超常の生物とかなら、その力で伝わってるかもしれない可能性に賭けてる。すると――


(弱まった? やっぱり言葉がわかるのか!)


 ――と野乃野足軽は思った。力が緩んで、押し合いをする必要がなくなったから野乃野足軽自身も力を緩める。けどその時だった。素早く、しかも水の一部が野乃野足軽の顔を覆う。


「くはっ!?」


 一瞬にして息ができなくなった。まさかこんな素早く……しかも少ない範囲を操ってくるなんて野乃野足軽は思ってなかった。なにせ最初にこのお風呂の水ぜんぶを使ってるんだ。やってくるなら、その水を使って来ると思ってた。


 しかも最初はそのとおりだった。でも油断させた後にこんな……こんな最小の容量で最大の効果を出すような事をしてくるなんてこの水の生物はかなり賢いようだ。


(息が……しし……死――ぬ)


 何回も顔を覆う水球を掻きむしろって取ろうとするが、指で掻き出せる水なんてすぐに補充されて意味なんてなかった。野乃野足軽がこの状況でも冷静で居られたら、それこそ力を使ってどうにかできそうではあるけど、彼にそんな余裕はない。


 息ができなくなったことで、パニックなってるようだ。


(落ち着いて……落ち着いてください)


 なにやら野乃野足軽の頭に響く声。けど、それに野乃野足軽は意識できてない。パニックなってるから、その声に耳を傾けるというか、意識を向けることが出来ないようだ。それからも何回もその声は響くが全然反応してくれない野乃野足軽。


 それに業を煮やしたのか、その声は控えめなそれから、脳を揺さぶるような衝撃になった。


(落ち着きなさい!!)


 その瞬間、野乃野足軽の眼球がグルンと上むいて気絶した。そしてなんかそんな反応に慌ててる水の体の女性。カオスな状況になってた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ