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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
139/821

138P

「お待たせ」


 そう言って山田奏が新しいスマホを契約して野乃野足軽の所に戻ってきた。実はその間、野乃野足軽は自身の存在を消す練習をしてた。そもそもが存在感が薄いくせになにやってるんだ? って? そんな事を言われたら流石の野乃野足軽も泣くかも知れない。


 もちろんそれには理由がある。それは山田奏……を狙う女子から隠れるためである。二人が離れたところで、ここまで尾行してきた女生徒達の中には、野乃野足軽を使って距離を詰めよう……としてきたと言うことだ。


 まずは友達の友達を攻める……ということなんだろう。将を射んと欲すれば先ず馬を射よ――というからな。彼女たちはそんな言葉は知らないかもしれないが、本能というものがそうさせるのかもしれない。


 そもそもが女性に声をかけられる……なんてことが少ない野乃野足軽だ。もしも力なんてなくて、彼女たちのどす黒い感情が見えなかったら、喜んでいたかもしれない。でも今の野乃野足軽は彼女たちの行動を見てる。


 その心情はわざわざサイコメトリしなくても誰にだってわかるだろう。なにせ彼女たちは山田奏しか見てないのだ。そんな女子たちが声をかけてきて、まず何をおもうのか……それは……


(うわっ……こわ)


 ――だった。最初はスマホに興味津々なふりをして声掛けをスルーしてた野乃野足軽だが、それでも喋り続けてくる女子達は、そのうちイライラしてきたんだろう。でも声を荒げる訳にはいかない。だからスマホに興味津々なフリしてる野乃野足軽の背後にたって、肩に顔を寄せてこういった。


「無視してんじゃねーよ」


 ――ってね。その声にはさっきまでの女子特有の柔らかさとか、可愛さとか、そういうのは一切含んでない。冷たさと、硬さ……そして野乃野足軽をゴミと思ってそうな下に見てる感があった。


 ちなみにこの感想は別にサイコメトリして感情を読み取った結果……というわけではない。野乃野足軽がそのまま感じた感想である。なので力をまたまた使うことになった。けど流石に彼女たちに囲まれては使えない。なのでちょっとトイレにいってた。それから存在感を消す……まではいかないまでも、薄くするように意識して野乃野足軽は自身を力で覆った。それによってどうやら存在感を消す……ということができたみたいだ。


「うわ……女こえー」


 トイレから出るとそこには山田奏を尾行してきた女生徒たちが数人いた。しかもギャル的な見た目の奴らだ。流石に彼女たちでも男子トイレに入るほどの非常識はなかったが、トイレから出てきたところなら確実に野乃野足軽を捕まえられると思ったんだろう。それにトイレならひと目も少ない。


 一体ここで彼女たちはなにをする気だたったのか……想像したら野乃野足軽は一瞬ぶるっと体を震わせた。けどどうやら力のお陰で、目の前を通っても彼女たちが野乃野足軽に気づくことはなかった。


 ならなぜ山田奏は野乃野足軽を見つけられたのか……それは単純にキョロキョロしてた山田奏に声をかけたからだ。

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