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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
133/821

132P

(危ない……まだ……)


 野乃野足軽は自身の中の力を周囲に広めた。薄くそして広範囲にまずは広げてみる。すると色々と分かる事があった。いや、寧ろ広くしすぎたのか、情報が多すぎる。というか、人の波がより詳細にわかるせいで、ものすごく頭がガヤガヤとしてた。喧騒が更に大きく頭の中で鳴ってるような……そのせいで、時々頭を押さえる野乃野足軽


「大丈夫かい?」


「いえ、気にしないでください。こっちの事情なので」


「いや、そうはいかないよ。俺が付き合わせてるんだから」


 そういう山田奏には気遣いしか無いだろう。それは野乃野足軽だってわかる。けどできるなら、ただ前を歩いてくれるのがありがたい野乃野足軽である。なにせ周囲の情報量で頭が圧迫されてるのだ。


 それなのに近くで喋られたら、野乃野足軽の頭にその声が響く。聴覚とか視覚を強化してるわけじゃないのに、野乃野足軽にはその声が煩わしく響いてた。でもそれを表情に出すわけにはいかない。


(これはやり方が間違ってるきがする)


 野乃野足軽自分が何をやりたいのか……それを思い出すことにした。こうやって情報で頭をいっぱいにしたいわけじゃないのだ。やりたいことはただただ単純なことだったはずだ。情報がほしいわけでもない。頭のリソースを使いたいわけでもない。


寧ろその逆だろう。なるべく楽に……そう楽をするために自分の体を力の操作に任せたいのだ。


(広げるのは違う……もっと狭くていいし、体内のどこに力を集めるのか……それが重要なのかも)


 ただ広げてしまうのは周囲を知る――ということにとっては有用かもしれない。なにせこの使い方を知ってるなら、角とかで人が見えなくてもその姿がわかるようになる……という効果が見込める。


 でも今の野乃野足軽が求めてるのはそういうことではないのだ。ただぶつかりそうな人を自動で避ける……という事を野乃野足軽はしたい。


(自分じゃなく直前で当たりそうな人を操るって手段もあるけど……それはきっと難易度がめっちゃ高いだろうからな。やっぱりまずは力で自分の体を自由自在に操れるように……いや自由自在になくても、まずは動かしてみよう)


 そう思って野乃野足軽は目の前に集中した。周囲に満たした力は自身のもとに戻して、目の前にだけに集中する。すると丁度、スマホを見て前を見てない人が歩いてきた。スマホに夢中でその人は前を全く見てない。


 これは絶対にぶつかるだろう。


(力で体を動かす)


 まずはそれを意識して、絶対に思考で「避ける」という事を考えないように努める野乃野足軽だ。

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