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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
132/823

131P

(簡単ですよ。他者に使えないのなら、自身に使えば良いのです)


(自分にって……)


 そう言って野乃野足軽は自身に透視を使う姿を想像して……「誰得だよ」と思った。なにせ野乃野足軽自身は自分の裸なんて見慣れてるわけで、下着なんて自分で選んでる訳で……透視してもそれは今更なわけだ。何のときめきもない。


 でも実際、野乃野足軽は小市民だから普段から女の子を……そして道行く女性を透視するなんてできないわけで、だからアースの言うことは最もだろう。何の罪悪感もなく出来るのは、それこそ自分自身しかないと野乃野足軽も思ってる。


(何も自分に掛けられる力は透視だけではないでしょう。それこそ、有用な力を考えるのも必要な能力だと思います)


(けど、まだ自分の力じゃ、やりたいことってあんまりできないじゃん。こんな力を手に入れたのに、世の中ってのは世知辛いよ)


 なんかやさぐれた感じにそんな感じを伝える野乃野足軽。実際、やりたい事はもちろんだけど、野乃野足軽は色々とあった。透視はそれこそ全男子……全男の夢だったからそこは感動したし、浮遊だってそうだろう。サイコキネシスだって、野乃野足軽はまだまだ自分以外なら、大きくて重いものとか少ししか持てないが、それでも小さな物を浮かせるだけでも感動したものだ。


 でもそれらも訓練をして徐々にその力を強めてきたわけだ。いきなり使ってそれが実用的だったものなんてない。だから自分は物語の主人公みたいにチート持ちとは絶対にいえないんだなって事を野乃野足軽は理解してる。


(そこは工夫でしょう。自分の普段の行動を自動化するとか。簡単な命令を自分に掛けるとか、出来るのではないですか? こうやって話しつつ動くのが大変なら、動くことを力に任せれば良いのです)


(そんな事……)


 出来るわけ……と言おうとした野乃野足軽だがそれは飲み込んだ。なにせこんな力を持ったのだ。なんでも否定しても面白くないと思った。出来るかできないか、それを判断するためにちょっとやってみようと思った。


(歩く事を自動化するのか?)


(それは簡単に出来るでしょう。ただ歩くだけでは障害物にぶつかります。それを避ける様にするんです)


(どうやって?)


(そこは考えるべきでは? 人の感覚は、私にはよくわかりませんし)


 アドバイスはあまり期待できないらしいと知り、野乃野足軽は自身に満ちてる力を意識した。とりあえず野乃野足軽や山田奏の周りに人は満ちてる。だから実験には最適だろう。でもいきなりすべてを力に任せるのは危険だろうと野乃野足軽は判断して、とりあえず自分の意識で避けるんじゃなく、力によって避ける……という感覚を掴もうとする。

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