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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
130/816

129P

「山田……先輩?」


「ああ、君か」


 それは放課後、野々野足軽が山田奏と朝倉静香の邂逅を覗き見てそして家路につこうと玄関に降りてた時だった。ずっとトイレにいたせいだろうか? 野々野足軽はそこで催してきた物を出し切ってから、玄関へと向かってた。なかなかに頑固な奴らだったからそれなりに時間が掛かってしまったが、野々野足軽は部活動とかには入ってないから、放課後は気ままな時間である。


 だから誰に気兼ねすることなくてトイレに篭ることだってできる。その時になんか隣から謎の声−−


「うう、行きたくないよ……もう嫌だ。でも、行かないともっと……」


 −−とか聞こえてたが、そんな気の毒そうな声に同情はするが、野々野足軽はそこで「どうしたんですか?」とか声をかけるような人柄ではない。寧ろ−−


(やっぱり部活なんてクソだな)


 −−とか思うタイプである。実際トイレの中の人がなんでそんなことを呟いてたのかなんてのは野々野足軽にはわかんない。けど、学校に来て、そしてトイレで行きたくない−−である。学校には着てる時点で学校自体がいやなんではないだろう……という予想がつく。


 そしてこの時間帯に帰りもせずにトイレにこもってることを考えると、自然とどうして? というのは見えてくる。


 そんなトイレでの出来事をやり過ごしつつ、玄関に向かうとそこでバッタリと朝倉静香と別れた山田奏に出会ったわけだ。その瞬間はちょっと気まずいと野々野足軽は思った。


 どこか後ろめたいというか……けどそれは野々野足軽だけだったようだ。当然だけど。


「先輩はこれから部活ですか?」


 とりあえず互いを認識した手前……無視してしまうなんてこともできないから、さっさと話を切り上げるためにも、そのための話題を野々野足軽は選んだ。なにせ山田奏がサッカー部なのは有名だ。なにせ彼がグラウンドにいるだけで、女生徒たちが黄色い声援をあげまくるからだ。


 だからそれは野々野足軽だって知ってる事実。話題に出してもおかしくないし、放課後ということもあって、この時間に一番可能性があることと言ったらそれこそ部活動と、それか塾とかの習い事だろう。


「ああ……いや、そうだ。丁度よかった。ちょっと付き合ってくれないかい?」


「え?」


 そんなこんなで、野々野足軽と山田奏は放課後を共にすることになったわけだ。

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