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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第一章 超能力に目覚めた少年
129/816

128P

野乃野足軽は山田奏とともに一緒に居た。放課後、彼に捕まって、一緒に街を歩いてる。これは別に偶然ではない。放課後、山田奏は朝倉静香と分かれて部活に行くと思われた。


 けどそうはしなかったらしい。野乃野足軽の記憶では山田奏はサッカー部に所属してた筈だ。そこでストライカーでエース……とかならマジモンの漫画の主人公……ではなくて、漫画とかに出てくるその学校でモテモテの立場の先輩である。


(いや、まさにそれだけどこの人……)


 実際山田奏はエースではないらしい。でもキャプテンではある。そして司令塔だ。ストライカーではなくても、十分目立ってるからそこはあんまり変わらないと野乃野足軽は思ってる。


 野乃野足軽は流石にこれから部活なら……と思って、見るのをやめてた。もしかしたら山田奏が放課後とかにも平賀式部になにかするんでは? とか憂慮して監視してたわけだが、流石に部活動の時間なら、そんなこともありえない。


(――と思ってたんだけどな)


 放課後に部活動する人種と帰宅部の人種では全くといいほどに繋がりが違う。なにせ部活はまた一つのコミュニティであるからだ。基本、部活動をしてたらそっちに引っ張られていくだろう。そして学校では教室でのコミュニティでも同じ部活だから――と一緒にいる時間が増えたり、自然とそうなる。だから部活を入ってないと、教室でもちょっとコミュニティに属しづらかったりしたりする。


 もちろん、そんなの関係なく別け隔てなく……なんてのもいるが、自然と接する時間が長いと、親しみとかも深くなっていくものだろう。それで考えると、昨日今日知り合ったばかりの野乃野足軽と山田奏……それに二人は後輩と先輩である。更に更に言うと、二人は同じ部活でもない。


 もちろんのこと、野乃野足軽は帰宅部である。先輩後輩関係でも部活動では違う学年に関わることは宿命である。そこで上への、そして下へのつながりが出来る。きっとこの頃から社会の上下関係を知り得ることになるんだろう。


 でも二人にはそんな接点もないし……関わり合いはとても薄いと言わざる得ない。だからこそ……謎な組み合わせだ。


「いや、悪かったね。君には格好悪いところを見せてばっかりだ」


 二人で歩きつつ、山田奏がそんな事をいってきた。それに対して野乃野足軽は思わず肩に担いでたカバンの紐に力を込めてしまって、ちょっと肩に食い込ませた。


(まさか、さっき見てたことに気づいて……)


「昨日の夜のこともそうだし、今朝だって……見てただろ?」


「あっ……えっと……」


 野乃野足軽は安堵した。さっきのことではなく、どうやら山田奏が言ってるのは今朝のことらしい。ちょっと考えればわかることだ。なにせ山田奏が野乃野足軽の力を知り得ることはない。


 もしも野乃野足軽が話したとしても、それを信じるかはわからないんだから。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 129ページで山田はサッカー部と言ってますが、 92ぺーじはバスケ部で出てますよ
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